撮影:岩田えり
撮影:岩田えり

長男・一、次男・薫、そして末っ子の美貴。3きょうだいとその両親を通じて描かれる家族の絆。北村は弟、そして小松にはふたりの兄がいる。親とも友達とも違う「きょうだい」。

ふたりにとって「きょうだい」とはどんな存在なのだろうか。

「いとしくてたまらないですね。ちょうどこの間20歳になったんですけど、ふたりでお酒を飲んでて、例えば弟が飲みすぎると『今日から禁酒!』ってつい怒っちゃうんですよ。

昔、親にこれをしなさいとかこれはしちゃダメとか怒られるのがすごい嫌だったのに、自分も同じことをしてるなと思うと、あのときの親の気持ちはこれだったんだとわかるというか。そんなふうに本気で心配する唯一の相手。それが、弟かもしれないです」(北村)

「私にとっては、なんだかんだ言って、いちばん私のことをわかってくれる存在です。昔は喧嘩しかしてなかったんですけど、年をとるたびに仲良くなって。まだ学生の頃はよく洋服の貸し借りもしていました。

私はメンズの服もよく着るんですけど、ちょっとサイズが大きいなというものは今でもお兄ちゃんにあげたりするんですね。仕事のこともプライベートのことも普通に包み隠さず話すし、他愛のない相談もできる。一緒にいてすごく楽な存在です」(小松)

映画は、時に自分を映す鏡となる。きっと『さくら』は、それぞれにとっての家族を思い出す映画になるだろう。