ロボット掃除機のお掃除対決 すみずみまで走る「ルンバ」に軍配!

2012.8.30 18:36配信
左からシャープの「ココロボ RX-V100」、アイロボットの「ルンバ 780」、東芝の「スマーボ V VC-RB8000」

いま、新たな便利家電として注目を集めているのが、自分で室内を動き回って部屋を掃除してくれるロボット掃除機だ。不在時に掃除ができるので、忙しい共働き世帯などでも重宝する。今回は、3社のロボット掃除機を実際にリビングルームで走らせて、性能や使い勝手などをチェックした。

●最近話題のロボット掃除機 そもそもどんな製品?

ロボット掃除機が話題を集めている一番の理由は、国内大手家電メーカーが続々と参戦してきたことにある。ロボット掃除機は、ロボット専業メーカー米アイロボット社の「ルンバ」シリーズが先駆けで、2002年の登場以来、じわじわと人気を集めてきた。これまで何度も類似製品が登場したが、実用的なレベルに達することなく姿を消し、この10年、ロボット掃除機といえば「ルンバ」とイコールだったのだ。この独占市場に、昨年10月に東芝、今年5月にシャープが参入。また韓国LGも今年2月に日本で製品を発売した。家電量販店などでも積極的にデモを行っていて、いまが旬の家電として注目を集めている。

スイッチを入れると自動的に室内を移動し、床に散らかっている小さいゴミやホコリなどを掃き集めてくれるロボット掃除機は、機能としては非常にシンプルだ。しかし、人が生活している部屋には、必ず掃除にとっての“障害物”が存在する。棚やテーブルがあったり、ソファがあったり、さらには段差があったりするのだ。これらを回避しながら自動的に掃除をするというのは、実は簡単なことではない。

では、今回のテストで使用したモデルを紹介しよう。

ロボット専業メーカー、アイロボット社が開発した「ルンバ」は、地雷除去などの産業用ロボットの技術を応用したAI(人工知能)を搭載するロボット掃除機だ。毎秒60回以上も考えて最適な動作を行う「人工知能AWARE」で、同じ場所を平均4回通過。部屋の情報を詳しく収集して、さまざまな角度からしっかりとゴミを集めることができる。行動パターンは40パターン以上だ。ソフトタッチバンパー機能によって壁や障害物にやさしく当たることで、家具を傷つけることなく、壁ギリギリなど、すみずみまでゴミを取ることができる。

【基本仕様】

サイズ・質量:直径353mm×高さ92mm・約3.85kg

バッテリー駆動時間:通常清掃時最大60分(90~120分稼働可能)

シャープの「ココロボ」は、いまや同社の家電製品の特徴ともいえる「プラズマクラスター」放出機能を備え、空気まできれいにしてしまうロボット掃除機。無線LAN機能を備え、不在時に本体前面に搭載するカメラを使って室内の様子を撮影し、スマートフォンに送信することができる。さらに、スマートフォン経由で操作することもできる。また、ボイスコミュニケーション機能で、停止中の本体に話しかけることで掃除をスタートできる音声認識機能を備えた多機能モデルだ。

【基本仕様】

サイズ・質量:直径346mm×高さ96mm・約3.3kg

バッテリー稼働時間:60分

実は、2002年にロボット掃除機を発売したことがある東芝。昨年、「スマーボ」によって、満を持しての再参入を果たした。そして9月には第2世代となる「スマーボ V」シリーズを発売する。本体の高さを前モデルの93mmから80mmへと薄型化した。

新モデルには、赤外線を利用したゴミ検知器機能を搭載。さらに、人工知能による空間把握機能を強化した。センサを大幅に増やすとともに、ゴミの取り残しを減らすために、自動モードでも同じ場所を縦横2回ずつ、計4回通過するように改善した。

【基本仕様】

サイズ・質量:直径350mm×高さ80mm・約3.2kg

バッテリー稼働時間:60分

●リビングダイニングとキッチンにゴミをまいてテスト

ロボット掃除機3モデルのテストのために、17畳のリビングダイニングとキッチンに、疑似ゴミとして用意したそば殻、糸くず、紙くず、綿をまんべんなく撒いて、標準モードで1時間お掃除した。

ゴミは、部屋の隅やテーブルの下などにもしっかり撒いた。なお、テレビ台の下は3モデルとも進入できなかったが、ソファは機種によっては進入できる高さだった。

チェックポイントは、一般的な部屋環境で壁際やコーナー、テーブルやいすの足回りなどをしっかり回ることができるか、また、どれだけの量のゴミを掃き集めることができるかだ。

●【ルンバ】動作はランダムだがまんべんなくゴミを集めた

最初にテストしたのは、昨年10月発売のアイロボット「ルンバ 780」だ。部屋のすみに設置したステーションにルンバをセット。本体の「CLEAN」ボタンを押してスタートした。動作はランダムで、弧を描くように部屋を動きながら、ゴミの多いエリアではその周辺を念入りに動いていた。

壁際での動作はユニークだ。後で紹介する他のロボット掃除機が壁に沿ってまっすぐ平行に掃除するのに対して、ルンバは壁にやさしくぶつかりながら、ギリギリまで掃除する。この動作で、壁際のゴミをきれいに片づけていた。

また、ダイニングテーブルの下に入ったときも、テーブルやイスの足の周囲を回転しながら、狭いエリアも動き回ってしっかりとゴミを集めることができた。

●【ココロボ】動作は全体に直線的、きれいな部分とゴミの残る部分の差が激しい

続いてシャープの「ココロボ」。床全面にゴミがばらまかれている状態では、直線的に動くことで、ゴミを取った場所と取っていない場所の差がはっきりわかるほどきれいになった。

ただし、部屋のすみなどにはゴミが残り、サイドブラシがゴミを飛ばすこともあった。結果として壁際や家具の横など、本体が通らない場所にゴミが溜まってしまった。

テーブルの下では足の周囲などの狭い場所に入ろうとはするものの、同じ場所で何度もぶつかって進まなくなるシーンがみられた。「ルンバ」同様の円の動きによる障害物の回避行動はしていたが、ゴミ集めにはあまり効果的ではない印象だった。

●【スマーボ】直線的な動作が中心ですみや狭い場所は苦手

最後は、9月発売の東芝の新型「スマーボ」だ。自動モードでは、室内を直線的に掃除。新型モデルは、縦横2回ずつ同じ場所を通過する仕組みだ。実際の走行でも、部屋の隅から隅までまっすぐ走り、それを繰り返していた。

しかし、すぐ横に家具などの障害物があると回避してしまうので、テーブルの足の周囲などではゴミが溜まるところがみられた。また、テーブルの足の周囲を回ったり、狭い部分に入り込んだりという動作はみられなかった。

ただ、本体の高さが90mm以上ある「ルンバ」「ココロボ」とは異なり、高さ80mmと薄い「スマーボ」は3モデルのなかで唯一ソファ下への進入に成功した。

●メンテナンス性を含む使い勝手が選択の決め手に

ロボット掃除機3モデルを実際に試した結果、1時間という限定された時間、初めて動作する空間というシビアな条件でも、3モデルとも、しっかりとゴミを取ってくれたといえる。

「スマーボ」は、家具が少ない部屋や単純な構造の部屋では効果を発揮しそうだが、今回のテストでは掃除した場所と掃除しない場所の差が大きかった。また、「ココロボ」は善戦したものの、掃除後にサイドブラシや回転ブラシに綿が大量に巻きついていたことが引っかかった。毛の長いペットを飼っている家庭や、髪の長い家族がいる家庭では、毛の巻きつきやメンテナンスに手間がかかりそうだ。

部屋のなかは意外と平坦ではない。部屋から廊下へと続くドアや、フローリングから和室への敷居など、段差が数多くある。不在時に走らせることが多いロボット掃除機だけに、段差に引っかかり動作が止まってしまうのは困る。今回、テストを行ったリビングには段差がなかったので、木の板を敷き、段差越えテストを実施した。

段差は1/1.5/2cmの3種類を用意。1cmは3モデルとも難なくクリアしたが、1.5cmは「ココロボ」「スマーボ」が越えられなかった。固い木の板なので、越えにくかったのかもしれない。ジュウタンなど、柔らかい素材なら大丈夫だろう。「ルンバ」は2cmまで軽々と越えた。

また「スマーボ」は、オート掃除中に束ねた電気スタンドのコンセントケーブルに乗り上げて動作が停止するなど、段差にはあまり強くない印象だった。

●結果発表 基本となる掃除機能は「ルンバ」に一日の長あり

3モデルでテストを行った結果、撒いた量ゴミの量40gに対して、取れた量は「ルンバ」が33g、「ココロボ」が31g、「スマーボ」が30gだった。数字上の差は小さいが、ひと目見てわかる量の違いだった。

「ルンバ」がほかの2モデルよりもすぐれていたポイントは、ゴミの多い場所では何度も回り、しっかりゴミを取ったり、ゴミの少ない場所ではサクサク移動したりと状況に応じた動きをしていた点だ。また、吸い込み口やブラシに綿ゴミが巻きつかなかったこともポイントが高い。「ココロボ」ではサイドブラシ、回転ブラシともに、綿ががっちり絡んでいた。また「スマーボ」は、ダストボックスがいっぱいになって、40分過ぎからゴミの吸込み効率が低下していた。

1時間のテストの間、止まることなく、そして部屋全体にムラなく掃除できた「ルンバ」。部屋の隅やゴミの多い部分が特にしっかりと掃除できたのが好印象だった。ロボット掃除機として10年以上の歴史をもつ「ルンバ」が、トータルバランスにすぐれ、完成度の高さをみせた結果となった。(デジタル&家電ライター・コヤマタカヒロ)

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