阿部勇樹(浦和レッズ) (C)J.LEAGUE 阿部勇樹(浦和レッズ) (C)J.LEAGUE

思えば、悪夢は『さいたまダービー』から始まった。4月30日、6勝1分1敗の首位に立つ浦和レッズは、1分7敗と最下位に喘いでいた大宮アルディージャの本拠地に乗り込んだ。結果はご存知の通り、大宮が1-0で今季初勝利を挙げたのだった。63分にFW江坂任のラストパスを受けたMF茨田陽生が鋭い弾道のシュートでゴールネットを揺らすと、大宮守備陣は浦和の猛攻を最後のところで防ぎ切ったのだ。

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今季2敗目を喫した浦和はここで歯車が狂い出す。第10節・鹿島アントラーズに連敗を喫した。第11節・アルビレックス新潟を6-1と粉砕した後、第14節から3連敗、その後も2勝3敗と悪い流れを断ち切れずにペトロヴィッチ監督が解任となったのだ。

『さいたまダービー』から3か月、『ACL』『天皇杯』で勝ち上がっているものの、リーグ戦では3勝1分8敗と不振を極めている浦和。レギュラーを固定したミシャと対照的に、堀孝史新監督は「競争をしながら、戦える選手を起用する。体と心、戦う姿勢、その準備ができている選手を起用する」とチームに競争をもたらす。ここ10試合で25失点と崩壊状態にある守備の再建に取り組む。

大宮の『さいたまダービー』後の歩みも決して平坦ではない。今季初勝利を挙げた翌節・北海道コンサドーレ札幌に0-1、第11節・ベガルタ仙台に2-1と一進一退の攻防が続くが、第12節・セレッソ大阪戦、第13節・柏レイソル戦で連敗を喫すと、フロントは渋谷洋樹監督解任の決断を下す。チーム状況はそれぞれ異なるが、大宮は浦和より2か月早い監督交代を断行したのだ。

伊藤彰新監督はシステムを4-1-4-1に変更。それまで1ゴールだった江坂が1トップを張ると6試合で5ゴールと爆発。17位に勝点1差の最下位に沈んでいた大宮は2勝2分2敗と勝点を積み重ね、15位に勝点1差の16位まで順位を上げてきた。

「大宮の選手はレッズ戦になると目の色が変わる」と浦和イレブンは警戒し、「レッズ戦になると自然と普段以上の力が出る」と大宮イレブンは自信を持つ『さいたまダービー』は大宮が優勢のイメージがあるが、通算成績では12勝6分9敗と浦和がリードする。今年一発目の『さいたまダービー』は大宮に屈したが、昨年7月のドローの前は、浦和が4連勝を飾っている。

果たして、28回目の『さいたまダービー』で浦和が悪い流れを断ち切るのか、大宮が勝点3をゲットしJ2降格圏から脱出するのか。『明治安田生命J1リーグ』第20節・浦和×大宮は8月5日(土)・埼玉スタジアム2002にてキックオフ。チケット発売中。