『コッホ先生と僕らの革命』(C)2011 DEUTSCHFILM / CUCKOO CLOCK ENTERTAINMENT / SENATOR FILM PRODUKTION

19世紀末のドイツで当時は反社会的とされていたサッカーを用いた授業を行い、“ドイツ・サッカーの父”とも称されるコンラート・コッホの姿を実話を基に描いた映画『コッホ先生と僕らの革命』が9月15日(土)から日本公開される。「オファーを受けるまでコッホのことは知らなかった」という俳優ダニエル・ブリュールは、いかにして歴史に名を残す教師役を演じ、子どもたちに接したのだろうか? 本人に話を聞いた。

その他の写真

反イギリスの感情が強かった1874年のドイツの名門校で、コッホは生徒たちやその親が持つ根強い偏見に負けることなく、サッカーを媒介に生徒たちと向き合う。「脚本を読んでまず物語に魅了されました。そして、子どもたちと初めて共演できることが面白いと思った」というブリュールは、まずベルリンにある学校で実際に授業を見学することから役作りを始めたという。「先生の真横に座らせてもらって、実際の授業を見学したんです。先生の横に座ると生徒たちが先生の言葉にどのような反応をするか見えるのでそれをじっくり観察しました」。

しかし見学するのと、役とは言え、実際に“教師と生徒”として向き合うのはわけが違う。ブリュールは「夏場の撮影だったので、子どもたちの集中が切れてしまって、ついには『泳ぎたい!』とか『サッカーしたい!』とか言い始めて、なだめるのに大変でした」と笑うも「彼らはうまく行くと直感的にとてもいい演技をするんです。子どもらしい純粋さや直感が素晴らしい演技を生む。私も子どもたちから多くのエネルギーをもらいました」と振り返る。

撮影中は「ずっと子どもたちに『いい仕事をすればいい映画ができて、そうなれば自分たちの誇りになるんだ』と伝え続けました」というブリュール。子どもたちについて語る口調は、本物の教師が生徒たちについて語るようだ。「撮影中は子どもたちに気を配るようにしました。それに教師と生徒は“一方通行”ではないんですね。映画の中で子どもたちはコッホによって自由になり、団結を学びますが、コッホもまた子どもたちの意志の強さに感銘を受けるんです」。実際の撮影を通じて、子どもたちと心を通じ合わせたブリュール=コッホ先生が、どんなメッセージを渡してくれるのか、スクリーンを通して確かめてほしい。

『コッホ先生と僕らの革命』
9月15日(土) TOHOシネマズ シャンテほか全国順次ロードショー