メル・ギブソン

10月13日(土)から公開される映画『キック・オーバー』で主演を務めるメル・ギブソンが、本作の舞台となった“メキシコ一ひどい”と言われる刑務所を訪れたときの印象を語った。

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『キック・オーバー』は、マフィアから大金を強奪した主人公のドライバー(ギブソン)が、金さえあれば何でも可能な史上最悪の刑務所“エル・プエブリード”から決死の脱獄を試みる姿を描いたノンストップ・アクション。

本作の舞台となるのは、メキシコに実在した凶悪犯用の刑務所“エル・プエブリート”。政府も介入できないというこの場所では、看守に賄賂さえ渡せば、誰でも訪れることができ、酒や麻薬などあらゆるモノが売り買いされる無法地帯だったという。この“エル・プエブリート”がまだ刑務所として機能していた頃、視察のために訪れたというギブソンは「この場所ではひとつのビジネスが成り立っていた」といい、「人で溢れていて、そこまで厳しくなく、全員が厳重に閉じ込められていたわけじゃない。女性がいて子供も走り回っていた。そこら中で小さな商売が行われていて、仕事をして、自分で稼ぐことで、時間を持て余さず、悪さをしないようにしていた」と振り返る。さらに「枕にヤクを詰めて密輸しようとした5人組の中国人が捕まったけど、数週間後にはムショの中でレストランを始めた。あまりに美味しいとの評判で、刑務所の外からも食べに来る人がいたくらいだ。だからあそこは金が回るビジネスの場でもあるのさ」と当時の様子を語っている。

“エル・プエブリート”は2002年に閉鎖されたため、実際の撮影はメキシコにある別の刑務所で行われたが、すでに閉鎖している刑務所だったため、カオスに満ちたこの世界を映画のために作り直すのは、相当骨が折れる作業だったという。近年では、私生活でも話題を振りまくギブソンだが、本作は彼の映画出演35本目(カメオ、声優出演を除く)を飾る記念すべき作品でもある。ギブソン演じるドライバーがこの“エル・プエブリート”でどう生き残っていくのか注目したい。

『キック・オーバー』
10月13日(土)より新宿バルト9ほか全国ロードショー