■個人データ漏れへの対処法

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最後に。これだけ簡単に個人情報がバレるんだったら防御法が無いんじゃないの?という質問があると思います。
答えは「YES。完璧な防御法なんてありません」

どんなに企業がコンプライアンスを強化しても、管理システムを使うのは人間です。どこにだってお小遣いが欲しい不良社員はいますし、そんな彼らを抱き込もうとする情報屋・探偵はいくらでもいます。社員逮捕のニュースを見る限りソフトバンクとドコモの契約者情報は卸値、末端価格とも一時的に跳ね上がったと思いますけど、どうせまた新しいルートが開拓されて情報売買が再開されるでしょう。いまの時代、個人情報はどうやっても漏れ放題なんですよ。

だからわたし達がやれる最大の防御法は漏れてから慌てるのではなくて「漏れる量を減らす」こと、つまり予防に尽きます。

●データ調査の手かがりを漏らさない
・不特定多数が見るところに年齢、生年月日、住所等がわかる情報を書かない
・場合によってはダミー情報(間違った生年月日)を混ぜておくのも有効
・ブログの日記に載せる写真は、自家用車のナンバーや表札が写り込んでいないか入念にチェック
・Twitterで帰宅時刻、行きつけの店等の話題をつぶやかない(どうしても言いたい場合はリスク覚悟で)

●不審な電話やメールに警戒する
・電話料金を引き落としすぎた、宅配便の伝票が破れてしまった、同窓会名簿を作成する等、不審なことを言う相手に個人情報を話さない
・このような連絡はあなた自身だけでなく実家にされるケースも多いので、家族にも情報を漏らさないよう徹底的に言い含めておく

どうせプロにかかれば情報が漏れるんだから、そんな対策やっても無意味では?と思う人もいるでしょう。でも、そういう人は「調査コスト」の問題を忘れていませんか。

探偵も慈善事業でやっているわけじゃありませんから、あなたの個人情報を欲しがる依頼者は多額の報酬を払わなければいけません。携帯番号調査、職歴データ調査‥‥内容にもよりますが一件あたり10万円を超えるのがザラです。もし依頼者があなたの携帯番号しか知らなかったら、必要な情報にたどり着くまで余計な出費を強いられることになります。例えば携帯番号→住民票→戸籍データ と3回調べるだけで軽く30万円。しかも調査の数が増えれば増えるほど、途中のどこかで「データがうまく出てこなくて調査失敗」になる可能性が上がっていきます。

だから余計な情報を漏らさない=相手に無駄な手順と出費を強いる‥‥ことは、わたし達一般人がプロ探偵のデータ調査から個人情報を守れる、数少ない有効な手段にもなるのです。

その上で、どうしても日常生活や仕事の中で漏れてしまう情報に関しては、リスクを理解して上手に付き合っていかなければなりません。無人島暮らしでもしない限り、どうやっても他人との接点は出来てしまうものですから。

「個人情報は必ずバレるものである。
その前提で、他人に公開するプライバシー量を適切にコントロールすること」

最低限これだけは知っておいて欲しいと思います。

 

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もし身近に探偵がいたら聞いてみたい話は? [ http://ure.pia.co.jp/articles/-/9400 ]

どこで間違えたのか研究者の卵から探偵へクラスチェンジ後、足を洗った現在はライター稼業。いまだに尾行を気にして振り返る癖が抜けません。記事の守備範囲はネット、現実世界に関わらずちょっぴりアングラ系を好みます。