そこには育児に関することから個人的な気持ちの状態まで様々な質問が書かれていました。


・物事を面白く感じることが出来ない

・理由もなく不安になったりする

・することが沢山あって大変だ

・赤ちゃんを可愛いと思えない

・憂鬱な気分でよく眠れない

・育児をしていて孤独を感じる

…などなど。

計30個ほどのこういった項目に「はい・いいえ・わからない」で答えていきました。

 

回答を終えた用紙を確認した保健士さん。

「うーん…お母さん!いま育児だいぶしんどい状況ですね。
もしよかったらご紹介できるクリニックがあるので、旦那さんと一緒に1度行ってみたらどうでしょう?」


まるで、“新しく出来た駅前のパンケーキ屋さんが美味しいから行ってみたら?”くらいのノリで精神科を紹介してくれるではないですか!

育児疲れで『精神科』!?

ーーええっ!!精神科⁉︎ 家族3人で精神科に行ったらモロに“ワタシ産後うつでーす”と言ってるみたいなもんじゃないのか!?

“うわぁ…ダメな母親~”とか“旦那さん可哀想~”とか待合室で詮索されたりしそう…恥ずかしい…でもーー


そう戸惑っていると、ここまで黙って話を聞いていた旦那が口を開きました。

「Chacco…どうする? 行ってみる?」

これまでの全てを知り、自分もボロボロになりながらそれでもワタシを気遣ってくれている旦那の顔を見たら、すぐに決心がつきました。


ーーもう今のままじゃ何も好転はしない。ダサくて恥ずかしくても、このチャンスを逃しちゃいけないんだ。

もうこの際、ワタシはしっかりしたイイ母親になるんだ!とかいう感情はドブにでも捨てよう。

助けてくれる人にはしっかり頼って、その中でゆっくり成長しよう!!ーー


「うん、一度診てもらうよ!」

そう答え、夫婦ふたりで意志を固めました。

 


もし、育児の相談して『精神科』を勧められたら、戸惑うお母さんも居るかとおもいます。

しかし、下手に説教することもなく、過剰に激励したりすることもない、この保健士さんたちのフラットな雰囲気は、ワタシにとっては熱い信頼を寄せるキッカケになりました。

『きっと、今までこの地域でたくさんの子どもとその家族をサポートしてきて、ワタシみたいな産後うつ状態の母親も山ほど見てきたんだろうな……頼もしいぜ…!』と。

 

自分のプライドも、世間の目も、周りがどう思うかも関係ない!
この大切なムスコと旦那を守れるんだったら、出来ることはやりたい!

保健士さんが帰宅した後、ワタシはスグに教えてもらった精神科に電話をし、日程を決めました。

そして1週間後、ムスコも一緒に、家族3人で一歩踏み出したのです。

 

つづく

フォトギャラリー「夫婦愛の破壊と再生」編 ~産後うつとの戦い~
フォトギャラリー「妊娠出産秘話」編

 大手出版社から単行本を数冊発表し、現在は休業中の(元)漫画家。アシスタント業をメインにしながら、主婦業とお母さん業でも大忙しの毎日。夫である鈴木妄想とオタクトークで燃え上がるのも日課。息子の笑顔と各国アイドルのPVを見て癒されている。

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