背筋と腹筋、肩甲骨周りが使われる感覚が心地よい

次に教わるのはパンチです。目の高さに両拳を構え、前足を踏み出しながら、左拳を少し捻りながら打つ「ジャブ」、利き手で打つので、より強く、より大きなダメージを与える「ストレート」、その他にも、「フック」「アッパー」の4種類を学びます。

前後左右に動きながら、各パンチを組み合わせて、連続で打ち込んでいく練習も。肩甲骨周りがしっかり動くのはもちろん、お腹から発声しながら打つので、腹筋も使われています。

キックにも、ミドルキックやハイキック、ローキック、前蹴り、ヒザ蹴りなど、いろいろな種類があります。パンチとキックを組み合わせて、連続で打ち込んでいく練習では、キックの瞬間にウエストがギュッとひねられる感覚がありました。

ムエタイのキックの基本はミドルキック。特徴は、体が伸び上がるように軸足のバネをきかせ、足を蹴り出した瞬間に、軸足のかかとが浮いて、体をぐるっと180度回転させること。このとき、背中から腹筋(得に脇腹)が使われていたと思います。

シャドーボクシングの後は、いよいよミットで実践です。タイ人トレーナーについてもらい、ミットにパンチとキックを打ち込んでいきます。

ミットはシャドーボクシングとは異なり、打つと硬さがあることから、たとえばパンチをした後に腕を伸ばしっぱなしにするのではなく、打ってすばやく後ろに下がるなど、動きが自然とスピーディになります。

また、「本気で攻撃している」実感があり、さらにはいいパンチやキックを打ち込むと褒めてもらえるので、モチベーションが上がるのも事実。楽しみながらひたすらミットに打ち込み続け、それが終わるとサンドバッグに移行します。