ソニーのαEマウントを採用し、NEX-7がベースモデルのハッセルブラッド「Luna」

【ドイツ・ケルン発】2012年9月18日に開幕したフォトキナ。世界のカメラ市場で大多数を占める日本メーカーの展示が目立つ一方、海外勢の新たな取り組みも目を引いた。なかでも一番のビッグニュースは、18日に発表されたハッセルブラッドとソニーのパートナーシップ契約と、ハッセルのミラーレス一眼「Luna」の発売だ。また、8月にドイツ・ベルリンで発表されたサムスンの「ギャラクシーカメラ」も注目を集めた。

スウェーデンのカメラメーカー、ハッセルブラッドは、フィルム時代にはスタジオプロカメラマン必携のカメラともいわれ、6×6(ロクロク)のブローニー版の最高峰メーカーの一つ。そのハッセルが、いよいよミラーレス一眼に進出することが明らかになった。ソニー「NEX」シリーズのαEマウントを採用したミラーレス一眼「Luna」は、2013年発売の予定だ。

ベースモデルはソニーの「NEX-7」。これに、グリップやボディの高級感などさまざまなな味つけをして発売する。APS-Cサイズで2430万画素のC-MOSセンサを採用。ISO感度は100~16000。電子ファインダー(EVF)を内蔵し、記録メディアスロットは、メモリースティックDuoとSDカードスロットを備える。スペックはまさに「NEX-7」そのものの仕様だ。ブースには数多くのモックアップを展示して、力が入っていた。

一方、去る8月にドイツ・ベルリンで発表した「ギャラクシーカメラ」の大量展示で強力にアピールしていたのが、韓国のサムスンだ。最新のAndroid 4.1を採用し、4.1型の液晶画面、1600万画素のCMOSイメージセンサ、21倍光学ズームなどをもつ。あえて同社のスマートフォンのブランドを冠した「ギャラクシーカメラ」は、その名の通りカメラとスマートフォンの融合製品だ。Wi-Fiはもちろんのこと、3G/4Gの通信環境に対応、タブレットやスマートフォンなどとリアルタイムで画像の共有ができ、撮影後、PCなしで画像の編集ができる。9月17日に開催したプレス向け発表会では、大半の時間を「映像コミュニケーション時代の幕開け」をもたらす「ギャラクシーカメラ」のプレゼンテーションに割いていた。

このほか、台湾に本社を構えるソフトウェアメーカー、サイバーリンクは、19日、フォトキナ会場でプレスミーティングを実施。デジタル写真総合ソフトの最新バージョン「PhotoDirector 4」を発表した。高額で複雑なプロ向け製品に比べ、安価で簡単に操作できるのが特徴だ。デモンストレーションでは、意図せずに写真に写りこんでしまった人物をいとも簡単に消してしまう様子を披露していた。「PhotoDirector 4」は、デジタル写真の効率的な管理機能に加え、SNSとの連携機能も備える。サイバーリンクは、ビデオ編集ソフト「PowerDirector 11」シリーズもあわせて発表していた。(道越一郎)