FOOTBALL PEOPLE 川崎フロンターレ 中村憲剛特集号

フロンターレの第一歩となったサンフレッチェ広島戦でのゴール

――“世代をつなげていく”話は、昔からそういうふうに話していたんですか?

中村「昔からですね。『そこの木の“幹”をちゃんと太くしていかないと』という話はずっとしていた。だけど、自分ひとりではできないから、育つのを待つしかなかった」

――宏樹さんは自身の引退後のことはどう考えていたんですか?

伊藤「あまり考えてはいなかったですけど、自分の引退は関係なしに、ターニングポイントとしては、風間(八宏)さんが2012年に(川崎フロンターレに)来て、やるサッカーが明確になったことで、憲剛も楽しそうにしていた。そこを突き詰めたことが、今のこのスタイルになったところもあるし、そこについての心配はしていなかったです」

中村「サッカー的なところはね」

伊藤「うん」

中村「振り返れば、最初は、サッカー自体も風間さんになって『大丈夫か?』みたいになっていた。でも、最初のサンフレッチェ広島戦で、俺のアシストから宏樹さんが先制点を取ったんですよ。不慣れな右SBで宏樹さんが珍しくいい動きをしていてさ」

伊藤「あれ、面白いよね。本当に最初の試合で、みんな(従来の)ポジションと違うところをやっていて。ある意味、今までのフロンターレの概念みたいなものを壊して、一つでもいいプレーができればみたいな感じでやった試合だった。それで、あの得点が取れた」

中村「あの1点は、今のフロンターレのベースの本当に第一歩になったから。あのゴールを俺と宏樹さんで取ったというのは、歴史的には非常に大きかったんじゃないかなと、改めて思いますけどね。……うれしそうだな、おい宏樹っ!(笑)」

伊藤「『何で、お前があそこにいんねん!』みたいな感じだったんですけどね(笑)」

中村「本当にそういうゴールだった。連戦がスタートするなか、風間さんになってからの新たな船出。『大丈夫かな、フロンターレ?』となっているときの1試合目。

その試合はボッコボコにされるんですけど(笑)、それでもあの1点を俺と宏樹さんで取ったというのは『あ、これでやっていける』みたいな思いはありましたからね」

※【中村憲剛×伊藤宏樹】スペシャル対談・後編に続きます。

FOOTBALL PEOPLE 川崎フロンターレ 中村憲剛特集号
川崎フロンターレとサッカー人生を歩んできた中村憲剛のバンディエラの矜持に迫ります。

1万文字にもおよぶ本人のロングインタビューはもちろん、ピッチの外から見届けた天皇杯決勝のラストゲームにも密着。小林悠、家長昭博、大島僚太、谷口彰悟、登里亨平らチームメイト、恩師、クラブスタッフにもインタビュー。

サッカー漫画『GIANT KILLING』の漫画家・ツジトモによる中村憲剛の描き下ろしイラストやスキマスイッチ・常田真太郎からのメッセージ、よき理解者である伊藤宏樹との対談も掲載。

タイトル:FOOTBALL PEOPLE 川崎フロンターレ 中村憲剛特集号
発行:ぴあ株式会社
発売:2021年1月27日
定価:1,500円(本体1,364円)
判型:B5判・96ページ

Amazon、楽天ブックス、書店、ほかネット書店にて発売

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  • FOOTBALL PEOPLE 川崎フロンターレ 中村憲剛特集号
  • (写真左より)中村憲剛、伊藤宏樹
  • (写真左より)中村憲剛、伊藤宏樹 撮影:佐野美樹