5人揃って歌って踊る=これぞSMAPの真骨頂!

ここからはもう止まりません! 『僕の半分』のカップリング『Keep my love』、そしてクラフトワークもびっくりの全身ネオンスーツ(しかも歌ってる人だけ色が変わったりとクラフトワークよりもハイテク 笑)でガッツリ踊りまくる『HIKARI』に続いて、来ました『CRAZY FIVE』!! N.マッピーなる人物(=中居正広)が節目節目に発表してきた「FIVEシリーズ」が10年ぶりに復活したのです。前作『FIVE RESPECT』は'02年発表のアルバム『SMAP 015 / Drink! Smap!』収録のナンバー。<SMAPリサーチ>『いつからファンになった?の21世紀編では’02年という回答がほぼ1位と同率の2位なので、もしかしたら『FIVE RESPECT』でSMAPにハマったという人も多いのかもしれません。

なんでも今回のツアーの構成を考えていた香取が、中居に「FIVEシリーズの新作を作ってほしい」と直談判したという『CRAZY FIVE』は、木村→草なぎ→稲垣→香取→中居の順にリレー形式でメンバー紹介をしていくという流れで、紹介されたメンバーのソロダンスが見ものなのですが、それよりも曲の最初と最後そしてサビ部分で、5人全員で歌い踊るパート、自分はあの5人こそがSMAPの真骨頂だと思います。いやマジでカッコいいの!

1回目のサビで<若すぎたんじゃない そう誰にも従わずに 突き進んだ証>というパンチラインをブチ込みつつ、さらに2回目のサビで<五つの星屑 くじけそうでも拳をあげろ 皆が迷わぬように>という音楽史/芸能史に残る激名フレーズが放たれる、中居イズムに溢れまくったこの曲を目の前で5人に歌われて、心を動かされないファンはいないでしょう。この瞬間のドーム中が大爆発を起こしたかのような盛り上がりは、ハンパじゃなかった! まあ正直、泣きましたしね自分。半ば放心状態のまま、本編ラストはヒャダイン提供の『手を繋ごう』で大団円。四角形のセットにメンバーが収まり蓋がされ、巨大なドームの空間に開け放たれたSMAPの夢の世界は再び箱の中に仕舞われていったのでした。

アンコールでは中居ソロ(なんと『ATARU』のチョコザイに扮してバラードを歌う&後半でメンバー全員ダンスもありという出し惜しみ一切なしの演出!)を経て、ここぞとばかりにシングル曲を連発しながら、別れの時間を惜しむように密なコミュニケーションを図ろうと会場内をとにかく駆けまわる5人。特に今年のライブは、これまで以上にメンバーと客席との距離が近いように感じました。実際アリーナを突っ切るように「人」という形に配された花道も、できるだけまんべんなく客席を回ろうという意志の表れ。これは昨年ファンミーティングを行ったことが大きく影響している気がします。

 

久々にファンと間近で接した経験をすぐ次のライブにフィードバックする。今回のライブも、デビューから20年を超えてなお進化し続けるために挑戦を止めないSMAPのチャレンジが、至る所に散りばめられたものでした。<SMAPリサーチ>『いつからファンになった?21世紀編の回答でも、'08年~'12年の最近5年間でSMAPのファンになったという回答が全体の1/4近くを占める結果に。長いキャリアを誇りながら、新たなファンを生み続けているSMAPというチームの凄みが読み取れます。さらに付け加えるなら、ライブの内容が<SMAPリサーチ>の結果とリンクする部分がとても多かったことも驚きでした。これこそ今回のツアーがファンのために作られたものである証明なのでは……なんて言ったらこじつけすぎかもしれませんが。

そして何よりライブが終わって心に残るのは、中居正広/木村拓哉/稲垣吾郎/草なぎ剛/香取慎吾という5人の人間が生み出す「SMAP」という存在から放たれた、膨大なパワーです。目には見えず形もない、誰も触ることができない「SMAP」という不思議な魔法が目の前に現れる唯一の瞬間、それがSMAPのライブです。ひとたび会場を出れば、「SMAP」という魔法はまた、触れられないものになってしまう。でもその代わりに、力強く前に前にと背中を押してくれる大きなパワーが、自分の心に宿っていることに気づく。そんな幸福なエネルギーの循環を感じたくて、自分はSMAPのライブに足を運び続けるんだと思います。