9nine『SunSunSunrise』(『THE REFLECTION』ED)

2017年の夏アニメ。その主題歌の中でも、最も異色のクリエイターが参加したアニソンが、この『SunSunSunrise』でしょう。

この曲は、アメコミ界の巨匠、スタン・リーが原作者として参加している『THE REFLECTION』のエンディング主題歌。アニメ本篇にも声優として参加している女性アイドルユニットの「9nine」が歌唱を担当しています。

注目すべきは、この曲の作詞、作曲をトレーヴァー・ホーンが担当している点です。トレヴァー・ホーンは、英国の著名なミュージシャンであり、音楽プロデューサー。

「The Buggles」(世界的な大ヒット曲『ラジオ・スターの悲劇』で知られるテクノユニット)や「Art of Noise」(サンプリングを多用した音作りが特徴のユニット。日本では"超魔術師"Mr.マリック氏が自身のテーマ曲に使用した『Legs』がよく知られている)といった自身の音楽ユニットを率いる一方で、プロデューサーとしては、実験的なポップソングを多数リリースした「ZTTレコーズ」を設立。商業的な成功を治めると同時に、メジャーなフィールドから80年代のテクノポップ、ニューウェーヴシーンを牽引した偉大な音楽家なのです。

劇伴やオープニングテーマなど、『THE REFLECTION』の音楽面を全面的にバックアップしているトレヴァー・ホーン。『SunSunSunrise』は、ポップでありつつも挑戦的で捻くれたポップセンスを最も明快に体験できる1曲となっています。

昨今のEDMブームがもたらしたハードなテクノサウンドを思わせる情動的な電子音を用いつつも、やはり、基本になっているのは、この人らしい四つ打ちビートなテクノポップ。SNSなどの現代的な景色を盛り込みつつ、ティーンエイジャーの心理を描いた歌詞も素晴らしいです。

9nineとトレヴァー・ホーンが強力なタッグを生んだ本曲の"予告編"的な楽曲としてリリースされた『Why don't you RELAX?』(ZTTレコーズの看板アーティストだった「Frankie Goes To Hollywood」のヒット曲『Relax』をサンプリングした楽曲)と併せて、ポップミュージックのファンに是非とも聴いていただきたいナンバーです。

天道花憐、星ノ守千秋、亜玖璃『GAMERS!』(『ゲーマーズ!』OP)

高校の「ゲーム部」を舞台に、登場人物たちの勘違いに勘違いが重なる恋愛模様を描く『ゲーマーズ!』は、小説サイト「ファンタジアBeyond」での連載作をアニメ化したライトノベル発の作品。

そのオープニングテーマが、同作の主演声優が歌う『GAMERS!』です。

ゲームを題材にした作品ということもあってか、その曲調にはポップでウキウキするようなテクノサウンドが用いられています。ゲームをモチーフにしたアニメ作品の主題歌にテクノポップ……となると、かなりの直球勝負ですが、歌とメロディの完成度は極めて高く、作品性重視のストレートな音楽ジャンルを用いながらも、その説得力は十分。

『ゲーマーズ!』という作品を盛り上げる"アニメ主題歌"としては勿論のこと、楽曲単体でも優れたポップソングとなっています。

ヴォーカルを務めているのは、金元寿子さん、石見舞菜香さん、大久保瑠美さんのお三方で、それぞれが演じる登場人物のキャラクターに声を寄せつつも丁寧かつ明るくメロディを歌い上げており、聴いているだけで楽しい気分になれる1曲に。

金元さんを筆頭にお三方とも甘めな声質の持ち主で、それぞれの歌が融合したユニゾンパートの多幸感と破壊力は抜群。それぞれの歌声を邪魔しないように軽度に、かつシッカリと"テクノ"を感じられるように施されたエフェクトによる仕事も良い味を出しています。

派手でドラマティックな上モノの電子音とビート感を強調したリズムのバランス感覚も絶妙で、まさにテクノポップなキャラソンのお手本のような1曲です。様々なゲームのパロディも用いたオープニングアニメーションも楽しい限りで、今期アニソンの中でも特に"ポップ"というフィーリングを与えてくれるナンバーだと思います。

都内在住の極々平凡なサラリーマン兼、アニメ、音楽、プロレス、映画…と好きなものをフリーダムに、かつ必要以上に熱っぽく語るBLOG「さよならストレンジャー・ザン・パラダイス」管理人。永遠の"俺の嫁"である「にゃんこい!」の住吉加奈子さんと共に、今日も楽しいこと、熱くなれることを求めて西へ東へ。

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