グランプリ受賞の様子

今年で34回目を迎える映画祭「PFFぴあフィルムフェスティバル」が、18日から28日まで東京国立近代美術館フィルムセンターで開催。そのメインプログラムにあたり、世界最大級の自主映画コンペティションである「PFFアワード2012」の表彰式が28日に行われ、最終審査員を務めた高橋伴明監督、行定勲監督、写真家の川内倫子氏、俳優の新井浩文、映画プロデューサーの川村元気氏が各賞を発表した。

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グランプリに輝いたのは、鶴岡慧子監督の『くじらのまち』。仲良し高校生男女3人組のすれ違う心の揺れを瑞々しく描いた青春群像劇の本作は、グランプリに加えてジェムストーン賞(日活賞)も受賞し見事2冠を達成した。鶴岡監督は「まるで不意打ちのような感じ。本当に光栄ですし、仲間と一緒に(壇上に)立つことができて胸がいっぱいです。ここにいるみんなの後押しがなければ、映画は完成しなかった」と受賞の喜びをかみしめた。

最終審査員を代表し、グランプリを発表した新井は「自分にとって、自主映画かどうかはどうでもよくて、とにかく作品として面白いかどうかで判断させてもらった。まあ、どの作品も鼻で笑っちゃう部分があったが、『くじらのまち』はそれが一番少なかった」と辛口な総評で、参加者にエールをおくった。本年度は522作品のエントリーから、16作品を選出し、グランプリをはじめ各賞を競い合った。

受賞結果は以下の通り(年齢はすべて撮影当時)。最終審査員の選ぶ3賞5作品およびPFFパートナーズの選ぶ3賞受賞者は、第24回PFFスカラシップへの挑戦権が得られる。グランプリを受賞した『くじらのまち』は第25回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門にて招待上映される予定になっている。

【最終審査員が選ぶ3賞】

【PFFパートナーズが選ぶ3賞】

【特別設置】

取材・文・写真:内田 涼