国内最大のIT・エレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN(シーテックジャパン)2012」が、10月2日、千葉市・幕張メッセで開幕した。今年のテーマは「Smart Innovation ―― 豊かな暮らしと社会の創造」。昨年の586社を上回る624社が出展した。

情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)、電子情報技術産業協会(JEITA)、コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)の3団体で構成するCEATEC JAPAN実施協議会は、10月2日にオープニングレセプションを開催した。

3団体を代表して、CIAJの下村節宏会長が「IT・エレクトロニクス産業は、個人や社会システム全般がネットワーク技術を活用してつながり、自動車、エネルギー、医療、ヘルスケア、農業などの各産業と連携して新しいビジネスを生み出すことを期待されている。新たな価値を創造し、飛躍する日本のIT・エレクトロニクス産業を世界に強くアピールしたい」と挨拶した。

開幕式の後、出展する展示品のなかから最も優れた技術・製品などに対して賞を授与する「CEATEC AWARD 2012」の総務大臣賞、経済産業大臣賞の発表・授賞式が行われた。

総務大臣賞に選ばれたのは、富士通の「食・農クラウド Akisai(秋彩)」だ。「食・農クラウド」は、農業の現場と食関連企業のマネジメントを支援する「農業生産管理SaaS」「施設園芸SaaS」、現場でのICT活用の促進や組織的マネジメントをサポートする「イノベーション支援サービス」などで構成する。

導入によって、農業生産者は生産プロセスの見える化や各種データの利活用など、収益の拡大につながるマネジメントができ、また食品加工・卸・小売・外食などの食関連企業は、契約生産者との需給調整や品質管理プロセスを確立することができる。

経済産業大臣賞は、シャープの「酸化物半導体『IGZO』がもたらす未来」が受賞した。「IGZO」は、In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)から構成される酸化物半導体に結晶性をもたせたもの。

「IGZO」によって、薄膜トランジスタの小型化や高性能化が実現する。さらに電源オフの状態でも画面表示を継続するので、消費エネルギーを大幅に抑えることができる。今後、「IGZO」は、スマートフォンなどのモバイル機器、高性能ノートPC、液晶モニタなどに採用される予定だ。