連載25周年を迎え、ますます世界観の広がる超人気コミック『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ。作者・荒木飛呂彦氏の漫画家生活30周年でもある今年は、以前の記事、新たなメディア展開や裏話も!「ジョジョ展」記者発表会レポ [ http://ure.pia.co.jp/articles/-/7297 ]でも紹介したように『ジョジョ』テレビアニメ化、新作ゲーム、そして原画展の開催と、ファン歓喜のニュースが尽きない。

今回は仙台での開催を好評のうちに終え、いよいよ明日10月6日から東京でスタートする「荒木飛呂彦原画展 ジョジョ展」のプレス内覧会を取材してきたので、その様子を先行レポートしたいと思う。
 

鬼才の30年間を再現したド迫力の原画たち

東京で開かれる「ジョジョ展」会場は、六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリー。中へ入ると、まず“プロローグ”と銘打って『ジョジョ』以前の懐かしい荒木作品に出会える。初連載となる『魔少年ビーティー』にはじまり、『バオー来訪者』『ゴージャス☆アイリン』……いずれの原画も1980年代に描かれたとは思えないほど緻密かつ先鋭的なセンスにあふれ、今なお色褪せない魅力を放っている。

そして入口付近のプロローグ展示を見終えると、いよいよ『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの原画たちが、第1部から最新の第8部『ジョジョリオン』まで圧倒的迫力で出迎えてくれる。全200点以上とアナウンスされる多量の原画がカラーを中心にずらりと並ぶ光景はまさに圧巻。記念すべき連載第1話は巻頭カラーの原画とあわせ、当時の週刊少年ジャンプ(現物)も展示されていた。これだけで十分満腹になれるボリュームだ。

ちなみに仙台での「荒木飛呂彦原画展 in S市杜王町」は白がイメージカラーだったが、今度の東京展は黒。連載初期に色濃かった“ロマンホラー”の作風に黒はよくマッチしており、世界観を同じにする第6部までは展示場の壁面もほぼ黒基調で統一されていた。広大なアメリカ大陸を走破する第7部は全体が砂の色、「壁の目」が重要なキーワードとなる第8部は壁をモチーフにした展示スペースになっているなど、原画に限らずその背景まで実に芸が細かい。

原作ファンも納得のギミック

会場スタッフの芸の細かさ、というか意気込みの強さは他にも至るところに見られた。たとえば刑務所からストーリーが始まる第6部『ストーンオーシャン』の展示スペースでは、なんと原画も鉄格子や鉄条網フェンスに収められてある。フェンスには2000ボルトの電気が流れている(設定)という念の入れっぷりだ。