2000年代のヴィジュアル系シーンを牽引したといっても過言ではない聖地・高田馬場AREA。隣は西友高田馬場店。
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佐:(手帳をめくりながら)名刺も入ってました。これは「京様激愛虜(※2)」て書いてありますね…。

め:わたしも名刺手作りしてました。今日持ってくれば良かった…!

佐:(さらに手帳をめくりながら)うわ! このチケット、Psycho le Cemuが「from姫路」になってる!

め:こういうの集めて、資料館とか作りたいですね。竹内さんは『おっかけ!』(ブックマン社)にもあるように最初に行ったライブハウスが高田馬場AREA(※3)なんですよね…。

 

佐:そうです。学校帰りに当日券で入ったりしてましたねー。放課後「三年生を送る会」みたいなのやってる間に、走ってAREAに行ったりもしましたね。当時のビデオテープが残ってて、みんな合唱してるのに私と友達2人だけいない、みたいな。

め:それで思い出したんですけど、学生の時に教師に反抗したことがあって、当時親の携帯電話を借りて、ライブ友達と連絡を取ってたんですよ。GACKT(当時・Gackt )がソロデビューしたばっかりで、そのライブに行くために、学校が終わって駅で友達と携帯で連絡とってたら、ちょうどその現場を教師に見つかってしまって(笑)。「何してるの! 携帯は校則違反! 没収!」って言われて、でも携帯がないと友達と連絡取れないから、パニックになって電車が来た瞬間ダッシュで電車に乗ったんですよ(笑)。

佐:(笑)

め:今思えばひどかったですね。半泣きになって大阪城ホールに行ったという…。それまでけっこう学校ではおとなしいタイプで、先生にも反抗したこともないから、ライブ中も「先生ごめんなさい…。」って罪悪感でいっぱいで。次の日当然携帯没収されましたけど。うちの学校、校則が厳しくて卒業するまで返してもらえなかったんですよ。

佐:えーっ!?
 

――田舎の学校はわりとありますよ。ウチの学校も学期末まで返してもらえなかったです。

め:クラス内で日陰族だったというのもあって「先生~めんまさんが学校に変なもの持ってきてます~」てチクられるんですよね。学校にCDを持ってきてたら没収なんで、たしかPlastic Treeの「絶望の丘」は2回没収されました。当時カセットテープって何回も聞いてるとすぐにダメになっちゃうから、CDを直接聞いてて。それがないと学校に行けない子だったから…。親も「これがないとウチの娘はダメになる」とわかってるから買ってくれたんですよ。他にもいろいろ没収されてたんですけど、だから卒業式の日に没収されたものがダンボール5箱分くらいドカンと帰ってきて(笑)。

――竹内さんはその手のことで怒られなかったんですか?

佐:芸術系の学校だからか、あんまりなかったですね。こじらせた奴が修学旅行とセックスマシンガンズのFCイベント旅行と本命のワンマンがかぶってて、「修学旅行いきません!」って言い出して、先生がたしなめたらカンペン投げてましたね「行くっつってんだろ!」って。で、結局私が写真で本人のパネルを作って、パネルだけ参加という形に。

め:レベルが高い…さすが美術系の学校ですね。カンペンってのも懐かしいですけどね。そういえば昔私カンペンに書いてました「灰銀狂愛虜ナンタラ」って。

佐:人形持ってる人も多かったですよね。グルーミーとかをギッチギチに改造して原型がなくなるくらいにして。

め:血みどろグルーミーみたいなのが流行ってましたよね。


(※2)京様激愛虜…虜とはDIR EN GREY(Dir en grey)のファンの総称。メンバー名+虜で「○○ファン」という意味になる。つまり「京様激愛虜」は「ボーカルの京様さんの熱狂的なファン」くらいの ニュアンスだと思います。なお当時Dir en greyは灰銀と略されることもよくあったので「灰銀狂愛虜」は「Dir en greyの熱狂的なファン」くらいの意味になります。多分。
(※3)高田馬場AREA…ヴィジュアル系バンドがよく出演するライブハウス。西友の地下というのどかすぎる立地。

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