―それから「パン・オ・フロマージュ」というチーズパンは、ある雑誌で最もお酒に合うパンとして紹介されたらしいですよ。

うん、わかる。これはいいんじゃないかしら。

 

■スープにひたしてはいけません!

―止まりませんね。美味しそうなカボチャスープがきました。これはあれですか、パンをスープに浸けて食べてもいいんでしょう?

ダメ! スープというものはフランスでは“飲む”ではなく“食べる”ものなのよ。分類としては。だからパンを浸したりしてはいけません。一緒に食べるならこのスープはなめらかだから、しっかりした雑穀パン、ポールなら先ほどの「パン・オ・6」がいいと思います。

―えー、そうなんですね。危なかった。よくカフェオレとかに浸しているからてっきり。

あれはね、比較的粉の粒子が粗い粉を使うお菓子やパンが多いので、パサパサになりやすい。だから浸したほうがしっとりして食べやすいからじゃないかしらね。

■実はフランスの菓子パンは存在しない

―そんな理由ですか! ところで、フランスの菓子パンとか食事パンってどんな種類があるんですか?

大木君、それも誤解ね。フランスには日本みたいに、あんなにたくさんの菓子パンはないから。せいぜい、クロワッサンやパン・オ・ショコラ、ブリオッシュ、エスカルゴくらいかな?

―あら。メロンパンもチョコパンもクリームパンも。コーンマヨネーズも。

ないです。ちなみにフランス人が最も理解できないのが焼きそばパン。

―炭水化物の炭水化物をのせてどうすると。まあ、確かにあれが好きな人も
大勢いますけれど・・・。