『Legend Tokyo』の作品は、“勝つために考えた作品”

 

2012年『Legend Tokyo』のステージより
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今人「で、たっちゃんが入ってきた2週間後に、KAZUYAが訪ねてくるんです。ダンスをやってる若い人って、『こういうダンスがやりたいな』って思ったら、だいたいは同学年の奴らを誘って自分でチームを作って、新しい世代のチームが生まれていくんですが、彼は梅棒に『入れてください』ってやってきたんです。新入団員みたいな感じですよね。そういうチームって、実は珍しいんです」

KAZUYA「自分は大学1年の時に、なんの予備知識もないまま梅棒のステージを見て、ドーーン!みたいな(笑)、なんじゃこりゃー!みたいな、すっごい衝撃を受けて。そのとき自分はダンスをはじめてまだ1年くらいだったので、ダンスにおいて何がすごくて何がすごくないのかも、ぶっちゃけわからないくらいだったんですけど、それでもずっとエンタテインメントは好きで。そんな自分もすごく感動したんですよね。

そこからYouTubeで『Rusty Nail』の映像を見たりして、梅棒のファンになっていったんです。で、あるダンスの発表会でメンバーの方と話す機会があって、ファンであることや梅棒みたいなダンスをやりたいっていう思いを伝えたら、後日面接してもらえることになって。それで梅棒に入りました」

ツル「そうしてふたりが集まってはじまった稽古が、初日からケンカになってね。たっちゃんははじめての稽古だから、キョトーンとしてて」

たっちゃん「いつもこんなにモメながら作ってるのかなあ、って思ってた(笑)。そのときにやったのは、確か野球部のグラウンドに侍が出てくる話で」

一同「あぁ~そうだそうだ(笑)」

今人「大事な人を守れなかった侍が現代に転生して、野球部を救うって話(笑)。うわぁ~やりたい! いまこの話やりたいよぉ!」
 

――まさに「仲間」という言葉がふさわしい、梅棒の歴史を共に築いてきたメンバー同士の気心知れたやり取りに心が和みつつ、そんな彼らがケンカも辞さないという稽古についても興味が湧いてくる。そもそも梅棒の濃密なエンタテインメント作品は、どのようにして作られているのだろうか。
 

2012年『Legend Tokyo』のステージより
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今人「昔は自分が曲も話の構成も最初から決めてくることが多かったんですけど、最近はメンバーと話し合って考えるようになってきました。まず自分が『今回はこの曲でこんな感じはどうかと思うんだけど、どう思う?』って叩き台のアイデアを出して、そこからずっと座学って感じで話し合いだけをするんです。それが短くて2週間くらいかな。その話し合いが2~3ヵ月くらい続くと、俺らは全然動かないでずっとカフェで話し続けてなにをやってるんだ……って悶々としてくる(笑)」

TAKUYA「途中まで進んでいても、この場面とこの場面のつながりが変だからちょっと変更すると、他の部分とのつながりがおかしくなっちゃって、いろいろなところを直してたら最終的に曲が全部変わっちゃうとか(笑)、そうなってくると大変ですよね」

たっちゃん「俺が入ってからも、話が毎回必ず150度くらいは変わってるんじゃないかな(笑)」

今人「特にこの間の『Legend Tokyo』のようなコンテストの場合、まず結果がほしいので、より多くの人にちゃんと伝わらなければいけない。今回の『Legend Tokyo』の作品は、“勝つために考えた作品”なんです。『この曲にはどんなストーリーが合っているか』って考え方じゃなくて、『どうすれば優勝できるか』って考えて作ったんです。だから『この話面白いね、でもこれじゃ優勝できないよね』っていう判断も、製作中はかなりありました」

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