1 業界初のAaaS(Agriculture as a Service),庄原地区から「未来志向」

県立広島大学の庄原キャンパス(広島県庄原市七塚町5562)では,情報通信技術(ICT)や人工知能(AI),ロボットなどを活用したスマート農業の実証実験に取り組んできました。このたび庄原商工会議所や地域の農業従事者の皆さまとコンソーシアムを組み,広島県と島根県の県境にある中山間地域で,スマート農業の仕組みを活用して農機具をシェアリングするサービスを計画,「国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構」(農研=茨城県つくば市)により,令和3年度の「スマート農業実証プロジェクト」の事業に採択されました。ICTなどを活用した交通網のシェアリングサービスとして各方面での実証が進むMaaS(Mobility as a Service)を,農業分野に初めて転用する「AaaS(Agriculture as a Service)」と定義づけました。MaaSでいう交通手段を,AaaSでは農機具に置き換えた考え方です。


事業名は「多品目広域連携で実現させる『AaaS(農業版MaaS)』によるAI農機シェアリング」,県立広島大学の資源循環プロジェクト研究センター(センター長:三苫好治教授)が代表を務める「AaaSコンソーシアム『広島・島根』」によるもので,庄原商工会議所を調整役として,広島県と島根県の12事業者が参画。重原農園(庄原市西城町)を準備室とし,計477ヘクタールの農地で,スマート農業の仕組みを駆使した農機具のシェアリングを行います。

農研による「スマート農業実証プロジェクト」は令和元年度からスタートし,これまでに全国148地区で展開,令和3年度は応募総数85地区のうち31地区が採択されました。
この取り組みにより,山間地に点在する農地で多品目の作物を,スマート農業で農機具をシェアしながら効率よく生産する仕組みが国内で初めて実現します。庄原地区では,広島県の重点品目の一つで,「お好み焼き」に欠かせないキャベツの増産にも,スマート農業を駆使して取り組んでいます。手作業が中心だった一連の作業をAIを活用した仕組みに委ねる取り組みで,今回のAaaSはその追い風になります。キャベツの安定供給が実現すれば他の生産地の閑散期に出荷でき,庄原から広島県の農業を強いものにできます。

2:過疎地で高価なスマート農機をシェア,費用を抑え,効率化で生産性10%アップ

広島県と島根県の県境に位置する中山間地域は過疎化が進み,点在する農地の中では耕作放棄地も増えています。労働力や農機の不足した地域でいかに費用を抑え,効率よい農業を実現するかが課題になっていました。


「AaaS」はスマートフォンでアクセスするクラウド上の新システムで,広域に点在する農機の位置情報をGPSで取得して,所在と運用を一括管理します。複数の生産者間で効率よくシェアするため,農業生産者側のニーズ(農機具の仕様や台数,オペレーターの必要性など)を集約し,どの地域の生産者に送るかのマッチングを提案します。あわせて農機の輸送のサポートも行い,運用工程の効率化を目指します。導入により(1)地域を超えた農業経営の大型連携(2)隣接する地域間での他品目連携(3)異なる集落間の米麦輪作体系の連携-という3つのモデルが管理されます。あわせて農機の運用管理やメンテナンス,スマート農業に不可欠なドローンによる画像解析データ等のシェアリングも行い,シミュレーション評価も行います。こうした仕組みにより,農機の導入コストを半減し,生産面積および売上高を10%,向上させる計画です。
地域が広がり参加者が増えればより効率化が進み,新たなコミュニティーを形成し,孤立した地域をなくす効果も期待されています。


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