時代は変わりつつあります。

結婚は必ずしも人生のゴールではありませんし、正社員になれたとしても、終身雇用制度が崩壊しつつある今、男性にとっては妻を養うこと自体がプレッシャーになる場合も多いと聞きます。女性にとっても幸せの形は多様化してきています。

ところで、子育ては、時代に合わせて変わってきているのでしょうか。いまだに子どもに、女の子だからとお手伝いをさせたり、「優しいいい子になる」よう言ったりしていませんか?

2017年6月に『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』(KADOKAWA)を、9月に『毎日かあさん14 卒母編』を出版され、毎日新聞上では10月から新しく『りえさん手帖』の連載が始まった西原理恵子さんに言わせれば、「女の子は性格が悪い方が幸せになれる」とのこと。

それってどういうことなのか、ご本人に直撃インタビューしてきました。

サイバラさん一流のユーモアに富んだ「女の生きる道指南」を、たっぷりとお楽しみください。

次の世代に伝えたいこと

――まず、『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』ですが、とてもいい本だと思いました。

「ありがとうございます。今、25万部くらい出てるのかな?」

――オビに「女子の新バイブル」ってありますが、いわゆる娘世代だけでなく、もう大人になってしまったり、親になった女子が読んでも響くところがあるのではないかと。

「そうですね。自分の人生がうまくいかなった人でも、それでやけにならずに、次の世代に負の遺産を残すのではなく、助けになるなにかが託せるのではないかと思っています。自分が失敗したからこそ、こうするといいよ的な。

あたしたちの母親の世代や、今の六十代、七十代の人たちがしてきてくれたことって、すごく大きいと思うんですよ。産休や育休の権利だとかを勝ち取ってくれた。でも、その恩恵をまだまだ活かしきれてないと思うんですよね。

たとえば、赤ちゃんを産んだら、しばらくは働けなくて無職になる、その時、旦那に裏切られたらどうするのかとか、そういうことを教えられたら、という想いでこの本を出しました。要は啓蒙です。啓蒙で価値観って、簡単に変わりますからね」

怒らない子育て

――サイバラさんは、このたび卒母、母を卒業されたということで、おつかれさまでした!

「ありがとうございます」

――男の子と女の子をそれぞれ育ててみて、育て方に違いはありましたか?

「違いはなかったんだけど、娘がおとなしかったのに比べて、息子は注意をせざるを得なかったですね。いつ車に轢かれるか、いつ二階から落ちるか、みたいな。典型的なおバカだったんで。はじめてのお使いとか絶対させられなかったですね。」

――上が男の子だったんですよね。

「そうです。娘は本当に私のそばにいたがる子だったんで、助かりました。あれが二人ともいなくなっちゃう子だったらもっと大変だったと思います」

――たとえば男の子には言って、女の子には言わないことなど、またその反対はありましたか?

「それはなかったですね、そういうやり方が一番嫌だったので。言うんだったら、二人ともに言っていましたね。ただし同じことを言っても、伝わり方はまったく違いましたけどね。それは個性だと思います。それから、息子にお皿洗ってと言わないのなら、娘にも言いませんでした」