国民年金や厚生年金に加入すると交付されていた「年金手帳」ですが、2022年4月に廃止されます。

年齢によって交付された手帳の色は違います。オレンジ色や青色の年金手帳を手元に保管している、または勤務先に預けている方も、普段はほとんど見返す機会はないのではないでしょうか。

今回は、年金手帳が廃止されると私たちにどのような影響があるのかについて解説します。

 なぜ年金手帳が廃止されるの?

1974年以降、国民年金や厚生年金に加入すると交付されてきた年金手帳ですが、2020年の6月に「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」が成立した関係で、2022年4月で廃止されます。

年金手帳の主な役割は、基礎年金番号を通知することと保険料の納付を記録することでしたが、2015年に通知が始まったマイナンバー(個人番号)の導入により、被保険者情報はマイナンバーによってシステム管理されるようになりました。

また、以前は年金関連の多くの手続きにおいて年金手帳の添付が求められていましたが、現在は行政手続きの簡素化や利便性の向上を推進する観点から、手帳ではなく「基礎年金番号を明らかにする書類」で手続きが可能になっています。

そのことも、手帳の形式をとる必要性が低くなった大きな理由です。

紙の手帳を廃止することで、業務効率化やペーパーレスの推進、コスト削減につながります。

2016年度の実績で、年金手帳発行や再発行にかかる事務コストが2.7億円かかっていたそうなので、これだけコスト削減できると大きいですね。