萩原利久&八木勇征のW主演で大ヒット公開中の『劇場版 美しい彼~eternal~』。底辺“ぼっち”の平良(萩原利久)と、美しく不遜な“キング” 清居(八木勇征)とのすれ違い続ける2人の恋を描く。
2021年に連続ドラマとして放送され、日本を始めアジア各国で話題となると、2023年2月からドラマのシーズン2を放送。ついに4月7日より劇場版が公開となった。
高校のクラスメイトとして出会った平良と清居は、卒業後の再会を経て、紆余曲折の末に晴れて恋人同士となって同棲生活を送る。だが、清居を“キング”と崇める平良と、普通の恋人同士のような関係になりたい清居は、すれ違いを繰り返す。そんな中、大学卒業を控える平良は有名カメラマンのアシスタントとして働くようになり、俳優の清居も徐々に若手の中で頭角を現していく。
そんな本作の演出をドラマシリーズから務める酒井麻衣監督に、制作の過程から、萩原利久&八木勇征のエピソード、そして気になるあのシーンの裏話まで、たっぷりと語ってもらった。
(※以下、ネタバレ含みます)
「続編ができたらいいな」と願っているという感覚でした
――いよいよ公開目前ですね。(※取材時、公開日前)
シーズン2と劇場版の制作が決まってからあっという間でした。
――続編の制作については、いつ頃お聞きになったのですか。
シーズン1の放送が終わったのが2021年の12月だったんですけど、それから年が明けてわりとすぐだったと思います。
――続編ができそうだと感じていましたか。
「やりたいな」とは思っていましたけど、「できそうだ」とは全く思っていませんでした。もちろん、原作は大ヒット小説なのは重々承知なのですが、(シーズン1)ドラマ撮影時は、スタッフ、キャスト一同、必死に、誠心誠意、全力で作っていましたけど、そのときは誰もここまでの反響を予想していなくて。
それが、放送を重ねるごとにどんどん大きくなっていって、「続編ができたらいいな」と願っているという感覚でした。なので本当に「できるかもしれない」と聞いたときはびっくりしました。
――遅ればせながら、劇場版を拝見させていただいたあとに、原作(凪良ゆう著)も読ませていただいたのですが、単に原作のエピソードが圧縮されているのではなく、いくつかのエピソードを織り交ぜて、ドラマ・劇場版ならではの物語になっていることを知りました。今回のシーズン2・劇場版のエピソードのセレクトはどのように行われたのでしょうか。
そこは脚本を書いてくださった坪田(文)さんのお力が大きいです。シーズン1のときは坪田さんと話し合いながら作った部分も多かったんですけど、シーズン2・劇場版は、坪田さんの書き上げてくださったものに対して、「こういう演出も追加したいです」というように調整をしていった感じです。
鏡を使うシーンや、シーツの中のシーンなどは、原作が好きだったらみんな見てみたいと思うところですし、そこを坪田さんがすごくアレンジして書いてくださいました。
――読まれたのは準備稿かとは思いますが、最初に脚本を受け取ったときはどんな印象でしたか。
すぐに萩原(利久)さんと八木(勇征)さんが演じる“ひらきよ”が想像できて、「面白い!」と思ったのが第一印象でした。