パナソニック プロダクションエンジニアリング株式会社(以下、PPE)は、植物由来のセルロースファイバーを55%以上の高濃度で樹脂に混ぜ込む成形材料複合技術『kinari』(※1)を用いて、株式会社フードリボン(本社:沖縄県国頭郡、代表取締役社長:宇田悦子、以下、フードリボン)が生産した沖縄県産パイナップル葉の残渣を高濃度で樹脂に複合し成形加工した「新素材タンブラー」を共同開発しました。



パナソニックグループは、「より良いくらし」と「持続可能な地球環境」の両立に向け、長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」を制定しました。自社でのCO2排出量削減に加え、社会におけるCO2削減貢献量の拡大と、資源効率が脱炭素化に寄与し限られた天然資源の消費を削減するサーキュラーエコノミー実現に向けた事業活動に取り組んでいます。その中の一つの取り組みとして、2015年より石油由来樹脂の使用量削減による環境負荷低減を目指し、天然由来のセルロースファイバーを活用した材料開発を進めてきました。2019年にセルロースファイバーを55%以上樹脂に混ぜ込んだ成形材料「kinari55-PP」を、2021年にセルロースファイバーを70%の高濃度で樹脂に混ぜ込んだ成形材料「kinari70」を、2022年にバイオマス度90%以上で「kinari55-PP」と同等の強度をもつ成形材料「kinari90」を開発しました。

高濃度化の取り組みと並行して、地域・自治体や企業と連携してさまざまな植物廃材を有効利用し価値化する『kinari』の材料複合技術の取り組みを進めています。この取り組みの一環として、PPEとフードリボンは2023年からフードリボンのパイナップル葉から繊維を取り出した後の残渣を原材料とする『kinari』技術を活用した製品の開発を進め、このたび、『kinari』の材料製造技術と成形プロセス技術の掛け合わせにより、自然由来の「新素材タンブラー」を共同開発しました。

PPEはこの取り組みを通じ、沖縄県産のパイナップル葉残渣を製品に展開することで、石油由来樹脂使用量を削減するとともに、環境負荷が少ないだけでなく機能性とデザイン性に優れた製品として市場展開し、沖縄県のプラスチックごみ削減と環境イメージ向上に貢献していきます。今後も『kinari』技術を活用し、さまざまな植物廃材を有効利用した商品展開の取り組みを、地域・自治体や企業と連携して進め、石油由来樹脂使用量の低減を通じた地球環境への貢献と新たな商品価値創出の両立を目指し、持続可能な社会の実現に向けた企業活動を推進していきます。

※1『kinari』はパナソニック ホールディングス株式会社の登録商標です。

【「新素材タンブラー」について】
◆環境性:パイナップルの葉から繊維を抽出した残渣を含有し、石油由来樹脂使用量を削減(バイオマス度51%以上)
◆機能性:紙製のふたとマッチングする形状で成形し、ドリンクの持ち運びに対応
◆デザイン性:『kinari』の特徴である着色性の良さを活用し、高級感のある黒色で対応
*「新素材タンブラー」は、フードリボンの各種イベント、店舗にて販売予定です。

【お問い合わせ先】
パナソニック プロダクションエンジニアリング株式会社 成形事業センター
Email:kinari_sale@ml.jp.panasonic.com
URL:https://www.panasonic.com/jp/company/ppe/molddie/kinari.html

■株式会社フードリボンについて
2017年9月20日に設立。沖縄県国頭郡大宜味村のおばぁの生き方に感銘を受け、大宜味村のシークヮーサーの商品開発をスタート。2019年にはパイナップルの葉を活用した天然繊維事業や生分解性材料事業へ展開。このビジネスモデルを元に、アジアなど海外へ向けて事業を拡大中。
URL:https://food-reborn.co.jp/
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