あり得たかもしれない人生の中で、なぜ、この人生だったのか? 自分の人生を愛し、誰かを愛するための小説




京都大学在学中の1998年に『日蝕』で芥川賞を受賞し、その後四半世紀以上にわたって話題作を発表し続け、近年では『マチネの終わりに』『ある男』『本心』と立て続けにベストセラーを放っている平野啓一郎さんが、3年ぶりの新作小説『富士山』を10月17日(木)に新潮社から刊行いたします。
本書は5篇の短篇からなり、短篇集としては、2014年刊行の『透明な迷宮』以来、10年ぶりとなります。また、収録作の「ストレス・リレー」が2021年11月にNHK京都局のスペシャルドラマになるなど、雑誌発表時から話題となった「名短篇」を詰め合わせた待望の新刊です。

発売にあわせて、10月22日(火)に丸善丸の内本店にて刊行記念サイン会が開催されることが決定いたしました。

本書の特設サイトでは、収録されている5篇の冒頭が試し読みできるほか、『息吹』の試し読みマンガを公開しています。下記URLからご覧ください。
https://k-hirano.com/mt.fuji/

『息吹』試し読みマンガ (C)︎高浜寛/コルク


■ イベント詳細
『富士山』刊行記念 平野啓一郎さんサイン会
日時:10月22日(火)18時30分~
会場:丸善丸の内本店
定員:100名
申込方法ほか:下記HPをご確認ください
https://honto.jp/store/news/detail_041000103904.html

■ 著者コメント
あり得たかもしれない幾つのもの人生の中で、何故、今のこの人生なのか?──
幸福の最中にあっても、不幸の最中にあっても、この疑問が私たちの心を去ることはないだろう。
誰かを愛するためには、自分の人生を愛せないといけないのか?
それとも、自分の人生を愛するために、私たちには、愛する誰かが必要なのか?
些細なことで運命が変わってしまう。これは、絶望であるかもしれないが、希望でもあるだろう。私たちの善意は、大抵、ささいなもののように見えているのだから。私たちが前を向くきっかけは、確かに、どこにでもあり得る。

■ 書籍内容紹介
些細なことで、私たちの運命は変わってしまう。
あり得たかもしれない幾つもの人生の中で、 何故、今のこの人生なのか?──その疑問を抱えて生きていく私たちに、微かな光を与える傑作短篇集。
「富士山」 結婚を決めた相手のことを、人はどこまで知っているのか。
「息吹」 かき氷屋が満席だったという、たったそれだけで、生きるか死ぬかが決まってしまうのだろうか?
「鏡と自画像」 すべてを終らせたいとナイフを手にしたその時、あの自画像が僕を見つめていた。
「手先が器用」 子どもの頃にかけられた、あの一言がなかったら。
「ストレス・リレー」 人から人へと感染を繰り返す「ストレス」の連鎖。それを断ち切った、一人の小さな英雄の物語。

■ 著者紹介(ひらの・けいいちろう)

(C)Tamaki Yoshida
1975(昭和50)年、愛知県生れ、北九州市出身。京都大学法学部卒。1999(平成11)年、大学在学中に文芸誌「新潮」に投稿した「日蝕」により芥川賞を受賞。以後、一作毎に変化する多彩なスタイルで、数々の作品を発表し、各国で翻訳紹介されている。著書は小説作品として、『日蝕・一月物語』、『葬送』、『高瀬川』、『滴り落ちる時計たちの波紋』、『決壊』(第59回芸術選奨文部科学大臣新人賞)、『ドーン』(第19回Bunkamuraドゥマゴ文学賞)、『かたちだけの愛』、『空白を満たしなさい』、『透明な迷宮』、『マチネの終わりに』(第2回渡辺淳一文学賞)、『ある男』(第70回読売文学賞)、『本心』などがある。評論、エッセイとして、『私とは何か「個人」から「分人」へ』、『「カッコいい」とは何か』、『死刑について』、『三島由紀夫論』(第22回小林秀雄賞)などがある。




■書誌情報
【書名】富士山
【著者名】平野啓一郎
【発売日】2024年10月17日
【造本】四六判・ハードカバー
【定価】1,870円(税込)
【ISBN】978-4-10-426011-9
【URL】https://www.shinchosha.co.jp/book/426011/
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