株式会社ネイチャーズウェイ(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:萩原 吉晃)は、同志社大学 大学院 生命医科学研究科 市川 寛 教授 (医学博士)と共同研究で様々なハーブエキスの肌への効果について研究を進めています。
ハーブエキスに含まれるポリフェノール類などの物質が直接的に抗酸化作用を示すことは、広く知られていますが、実際に肌が酸化ダメージを受けた際、どのように抗酸化作用を示すかといった具体的な作用機序までは明らかになっておりませんでした。今回はバリア機能(タイトジャンクション)に着目し、自社ハーブエキスを表皮細胞と共培養することで、紫外線によるバリア機能の低下を抑制することを発見しましたのでお知らせいたします。
研究の背景・目的
古くから世界各地で活用されてきた各種ハーブの効果を、科学的に解明し、その効果を明らかにするために研究を行っています。今回はハーブの効果として知られる抗酸化能に着目し、肌に酸化ダメージを引き起こす活性酸素について研究を行いました。
紫外線による細胞傷害は、紫外線を浴びた直後に発生する活性酸素だけでなく、それによって二次的に産生され続ける各種活性酸素によって、バリア機能の低下や細胞死が引き起こされることが分かっています。(図1)
私たちは日本一日照時間が長い山梨県北杜市の自社農園で栽培したハーブエキスが、紫外線への耐性が強いのではないかと考え、肌の抗酸化能およびバリア機能にどのような影響を与えるかを調査しました。
方法
各種ハーブエキスの活性酸素消去能を測定しました。
またヒト表皮角化細胞を用いて紫外線によるバリア機能(タイトジャンクション)低下モデルを作成し、本モデルに対する自社ハーブエキスの影響と作用機序を解明しました。バリア機能の評価基準としてはTEER(経上皮電気抵抗値)を測定し判定しました。(図2)
研究結果
本研究で、ハーブの種類によって消去できる活性酸素の種類や強度が異なることを明らかにしました。(図3)
また、ヒト表皮角化細胞に紫外線(UVB)を照射すると、TEER値が低下し、バリア機能が弱まることが確認されました。このバリア機能低下モデルに対して、紫外線を照射する前にハーブエキスを添加して培養した影響を調べたところ、セイヨウノコギリソウを除く5種類のハーブエキスがTEER値の低下を著しく抑制したことが確認されました。 (図4)
さらに種々の抗酸化物質/酵素を用いて、活性酸素がバリア機能(TEER)に与える影響を調査したところ、細胞内外のスーパーオキシドアニオン(O2・-)や、細胞内の一重項酸素(¹O2)、ヒドロキシラジカル(・OH)がTEER値の低下に関与していることが明らかになりました。
また紫外線照射によって、タイトジャンクションで重要な役割を担うCLDN1タンパク質の細胞膜での発現量が低下することが確認されたため、タイトジャンクションの接着が弱まってしまうことが示唆されました。(図5)
以上のことから、自社農園で栽培したオウゴンとゼニアオイを含む5つのエキスは、紫外線照射によって二次的に産生された活性酸素種ROSを消去することでバリア機能低下を改善する可能性があることが明らかになりました。
今後の展望
今後も天然由来の化粧品成分やハーブの効能効果を追求し、それをもとに、皮膚そのものの力を高める革新的な製品の開発、そしてその製品を通じてお客様の美と健康の創造を目指します。
<株式会社ネイチャーズウェイ>
ネイチャーズウェイは1974年の創業以来、「自然との融和による美と健康の創造」を企業理念に、 「肌にやさしい、人にやさしい、地球にやさしい」を企業活動としております。環境問題にもいち早く取り組み、「ネイチャーズウェイサステナブル環境基金」を設立。売上の一部を環境保護活動や社会貢献活動に役立てています。また創立50周年を迎えた2024年には、環境、社会の利益そして従業員やステークホルダーにとっての利益を考慮して企業活動を行う企業に与えられる「B Corporation(TM)」認証を取得しました。植物原料の栽培から、企画、開発、製造まで一気通貫で行っているナチュラルオーガニックコスメのメーカーとして、これからも自然と社会、社会と自分、自分と自然、そのすべての個性が互いを照らし合う商品・サービスの研究・開発に誠心誠意取り組んでいきます。
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