すでに年は変わってしまったが、家電ライターの山本敦氏、ライターの平本良太氏に続き、2019年のデジタル製品のベストバイを紹介したい。価格の割にメリットの多い、「コスパ抜群」のアイテム3選となる。

SIMフリー版 AQUOS sense2+純正カバー

一つは、Androidスマートフォン(スマホ)の「AQUOS sense2 SH-M8」。2019年9月末まで実施されていた「楽天モバイル2回線目以降1円キャンペーン」で購入した。正確には、「楽天モバイルお申し込みで最大6500ポイント」キャンペーンのポイント目当てに1台購入し、あまりにも使い勝手が良かったので、その回線の2回線目として、もう1台、色違いのAQUOS sense2を購入したのだ。

このAQUOS sense2の純正カバーである「AQUOS Frosted Cover シルキーホワイト(XN-K05-W)」は、9月14日から1カ月間にわたって展開されていた「d払い20%還元キャンペーン」期間中に、何かいいものはないかと、「dショッピング」の出店店舗のセールコーナーを見ているうちに発見したもの。独自の「Frosted UI」機能に対応し、便利に使えそうな上に、定価よりだいぶ安かったので試しに買ってみた。

1回線目に対する特典ポイント(2900ポイント)は、昨年12月にゲット済み。本体価格1円(2回線目のみ)に対して、別途購入した保護フィルム2枚、純正カバーの合計額のほうが高いという、逆転した状態になったが、個人的には満足だ。

AQUOS sense2を購入した理由は、JCB主催の「JCBでスマホ決済!全員に20%キャッシュバックキャンペーン!」、みずほ銀行の「みずほWalletご利用感謝キャッシュバック」キャンペーンに参加し、計二つのデビットカードをGoogle Payに登録してQUICPay(クイックペイ)で決済して20%還元を得るため。事前にシミュレーションしたところ、いくら端末が1円でも通信料金の支払いが発生するため、元が取れないとわかったものの、どうしても試してみたくなった。

SIMフリー版AQUOS sense2の強みは、非接触決済の「おサイフケータイ」が利用できるFeliCaと、ケータイの定番機能を引き継ぐ「簡易留守録」機能の二つ。シングル仕様のカメラには期待していなかったが、デフォルト設定が動画向けの16:9となっており、動画も静止画もそこそこ撮ることができる。

後継機種となる「AQUOS sense3」では、デュアルカメラに進化し、SIMフリー版ではDSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)もサポート。価格帯は「2」からさほど変わっておらず、メイン機としてはもちろん、ますますiPhoneとの2台持ちや、複数アカウント/複数番号利用に最適な1台となっている。

iPad Pro Wi-Fi + Cellularモデル(11インチ)

家電量販店・オンラインショップのPOSデータを集計した「BCNランキング」の販売実績をみると、iPadの売れ筋は、安価な第7世代iPadやiPad Air、iPad miniのWi-Fiモデルだ。しかし、Apple Storeや一部の店舗で購入できる、12.9/11インチのSIMフリーのiPad Pro Wi-Fi + Cellularモデルこそ、移動中や外出先でいつでも自由にインターネットを利用したい向きに最適なベストバイとおすすめしたい。

増税直前に手に入れた11インチのiPad Proは、発売自体が18年で、最新機種ではないものの、それまで使っていた10.5インチのiPad Pro Wi-Fi + Cellularモデルに比べ、体感的に処理速度がだいぶ速くなった。何といっても接続インターフェースがUSB Type-Cとなり、iPhoneと2台同時充電が可能になったので、使い勝手が良くなった。充電のしやすさを考慮するなら、iPhoneユーザーがType-C搭載iPad Proを、Androidスマホユーザーが従来のLightning搭載iPadを選ぶといいだろう。

実は今回、それまで使っていた10.5インチのiPad Proを下取りに出す想定でApple Storeで注文したが、異なる質感と使い勝手、「2万5000円」という査定額を鑑み、下取りをキャンセルし、継続して使い続けることにした。SIMフリー版iPadは割高なので、まずはキャリア経由でWi-Fi +Cellularモデルを安く購入し、後にSIMロックを解除してMVNOの格安SIMに入れ替えたほうが、通信料金を抑えられるはず。過去の経験上、iPhoneよりiPadのほうが処理性能の不満を感じにくいので、4年以上使い続ける想定で選ぼう。

※ドコモのシンプルプランなどは、契約種別の異なるデバイスに挿入して通信すると、追加料金(指定外デバイス利用料)が発生する。新料金プランのギガホ/ギガライトは対象外

Google Nest WifiのWi-Fiルータ

Google Nest Wifiの詳細は、掲載済のこちらのレビュー記事(https://www.bcnretail.com/news/detail/20200107_153040.html)をご覧いただきたい。初めてスマホ以外で音声AIアシスタントのGoogle アシスタントを使ってみて、他に比べて特に劣ることはなく、設定アプリのわかりやすさとGoogleアカウントとのスムーズな連携は、さすがGoogleだと感じた。

ここ1~2年、電子レンジや食器洗い乾燥機の使用中、再生中のYouTube動画が止まるたびに子どもに泣き叫ばれ、「たくさん端末を持っているから悪い」「PCを使っているから悪い」と一方的に配偶者に罵られてきた。

確かに年々、端末は増える一方だが、よく考えず、買い替え時に最安価格帯のWi-Fi親機を選んだ当人が悪い。つまり、家庭内ネットワークの要となるWi-Fiルータは、できるだけ最新のハイエンド機種を使うべきなのだ。最新規格の「Wi-Fi 6」に対応する製品もすでに市販されている。今年は、従来の「IEEE 802.xx」に代わる、「Wi-Fi 6/5/4」という、新しい呼称も徐々に広がりそうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)