頭がいい子の家のリビングには、必ず“あるもの”がある……!

そう聞いたら、気になりますよね。

正解は、個別指導教室SS-1代表である小川大介さんの著書『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』に載っています。

このタイトルの通り、辞書と地図と図鑑が、置いてあるそうなのです。

この3つのツールを使って、熱心にお勉強するから頭がよくなるのでしょうか?

いいえ、じつは勉強ではありません。頭がいい子はこの3つのツールを使って、“遊び倒してきた”というのです。

今回は小川さんに、その極意を伺ってきました!

 3つのツールで遊ぶ子は勉強をおもしろいと思っている

――実際に、勉強ができる子のリビングには「辞書」「地図」「図鑑」が必ずといっていいほど置いてあるそうですが、なぜなんでしょう。

小川大介さん(以下、小川):図鑑と地図と辞書ってそれぞれ刺激する脳の部分が違うんです。

図鑑は視覚的な情報でもありますし、コレクションしたり、見て楽しいものですよね。

地図は、身の回りの自分が住んでいる場所から拡大していって、土地を上から見下ろすような感覚もあるし、俯瞰的にものごとを見られるもの。

辞書はやはり言葉ですから、コミニュケーションに直結していくもの。

どれかひとつが好きとか偏った子はもちろんいるんですけど、今の3つをそれぞれバランスよく遊んでいる子っていうのは結局能力を発揮する方向が広いんですよね。

視覚的にものごとを見て、さらにいろいろと種類を見て違いを気にしたりとか、そういう図鑑的な感覚を持った子が、地図で求められる俯瞰的な視点であり、自分の日常生活から外にひろがっていく関心という地図の素養を使いながら、辞書的な言葉への関心をもってコミュニケーションに役立てていったら……その子はよく考えられて賢い子なわけですよ。

能力が高い子っていうのは、いずれか段階はあったとしてもそれぞれを興味のままに触れているっていうのは確実にありますね。

 ――勉強というわけではなく、あくまでその3つのツールを“遊び倒す”という感覚、ということですよね。

小川:勉強というのが机に向かって決まったテキストをこなすものっていう思い込みをした瞬間から、学ぶ力ってさがると思うんですよ。

子どもの感覚で目にしたものや耳にしたものを図鑑で広げたときに名前であったり種別がわかったり知識が広がる、地名が出てきたらそれを地図でみることによって、あーこれはこんなところにあるんだ、とわかる。

そうやってツールを使うことによってちょっと見聞きしたものが深まっていく。

小さいころからこれを体験してる子っていうのは、ちょっと気になったことを調べたらおもしろそうだっていうことがわかってるんです。

ちょっと気になったら調べてみて、理解したら自分で人に伝えてみるっていう一連のサイクルをたくさん繰り返した子というのは、勝手に勉強上手になってるわけです。

というか、勉強してるって思ってないんですよ(笑)。おもしろいとしか思ってないんですよね。

受験学習でもそうなんですけど、学ぶ力が高い子っていうのは、やったらうまくいきそうな気を強く持ってる子なんですね。調べたらいいことありそうとか、問題といてみたら楽しそうとか。特に算数や理科が好きな子なんか顕著ですけど。

難しい問題が出てくると、「おもしろそう」っていうんですよ、そういう子って。

勉強はしんどいものじゃないと思ってるんです。

幼少期からの知的な遊びを十分にしてこなかった子っていうのは、勉強っていうのは強制されてしんどいものだっていう思いがあるから、しんどいことはやりたくないですよね。

かたやおもしろいからどんどんやる、次の問題出してっていう子と、できればやりたくない、勉強というものに嫌悪感を持ってる子とで、その感覚の違いを365日繰り返したら、どれだけ差がつくのかっていうことですね。

だから遊んでほしかったんです。

 ――実際に小川さんもお子さんがいらっしゃいますが、図鑑などをどんなふうに使っていますか?

小川: 図鑑もそうですが、5歳のときにiPadをわたして検索の仕方を教えたんですね。

何かわからないことがあればそれで調べるし、あとは辞書の引き方も教えてあるので、基本的にわからないことは自分で調べるようにはなってますね。

それをもとに次のことを質問してくるとか。

調べたらわかるっていうのが頭にあるので、たとえばテレビを見ていて、アフリカの地名が出てきたりすると、「どこだろうね」って母親が言ったら「地図見ればわかるじゃん」って持ってきて「ここだよ」って教えてくれたり。

わかんないことは調べたらわかるんだっていうベースができてるんで、好奇心なり興味が止まらないっていうのはありますよね。

そのかわり、興味が動かないものは調べもしませんけどね(笑)

道端の植物を見ても、帰って図鑑を開こうとはしません。

何かの拍子にたとえば落ち葉を拾ってきて、形がおもしろいって言って、そんなときに図鑑開いて、あったって言って楽しんでいるので。

好奇心を抱いたそのあとの考えたり試してみたりっていう動きが止まらない、遮られずに続けられるっていう効果はあると思います。

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