近年、推奨されている育児は「叱るより褒めて伸ばす」というものですが、あなたは子どもの褒め方を意識したことがありますか?

出来なかったことが出来るようになった時、テストで100点を取った時など、子どもを褒めるシーンはたくさんありますが、褒めてあげればそれは何でも良いのでしょうか。

褒め言葉として無意識に使っているものといえば「すごい」「えらい」などで、このような言葉で褒められた子どもの顔を見ると、一見満足そうに見えます。ですが、実はこの言葉が逆に子どもを追いつめてしまうかもしれない……と注意を促すのは、幼児教育者の竹内エリカさん。

さらに、竹内さんは「すごい」「えらい」の使い方に注意をしなければならないのは「男の子」だと言います。

一体なぜでしょうか。

 今回は、「マンガでなるほど!男の子に「すごい」「えらい」はやめなさい」著者:竹内エリカを参考に、「すごい」「えらい」の使い方に注意が必要な理由と、なぜ男の子には注意しなければならないのかについてお伝えしたいと思います。

点数や評価がつくものに「すごい」「えらい」は要注意!

テストで100点を取った時や、展覧会で入選した時などのように点数や評価がつくものにだけに「すごい」「えらい」と言われつづけると、次もまた良い点数を取って褒められたい、良い評価をもらって褒められたいという想いがさらに強くなるそうです。

その結果、悪い点数を取ったり、良い評価がもらえないと「すごくない自分」「えらくない自分」に不安を抱くようになり、自己肯定感が低くなる傾向にあると竹内さんは言います。

「すごい」「えらい」は、良い点数だけに反応した言葉です。悪い点数だった時の大人の反応を子どもは異常に気にするものですから、不安を募らせないように大人が配慮できると良いですね。

また、「すごい」「えらい」の言葉は、コーチングの世界でいう「YOUメッセージ」である場合が多く、YOUメッセージとは「あなたはすごい」「あなたはえらい」というものです。

このYOUメッセージばかりを子どもに伝え過ぎてしまうと、子どもは人の評価を過剰に気にするようになり、他人の意見ばかりに気を取られる人間になる可能性があるため、注意が必要だと竹内さんは言います。

YOUメッセージは、自分はみんなよりすごくて当たり前、そしてみんなより出来ることが当たり前という考えを植え付けてしまう可能性があるため、子どもにとってはそれがプレッシャーとなり、追い詰めてしまうことにつながります。

ですから、誰が見ても良い・悪いが分かる点数や評価のつくものだけに「すごい」「えらい」で片づけてしまわないよう注意しましょう。