現代の日本には「競争心のない子ども」が増えていると言われていますが、その原因は教育現場にあると、多くの専門家が指摘しています。

学校をはじめとする教育現場には「事なかれ主義」の教育者が多く、子供たちに競争を促さず「みんな平等が一番」というような、教育上においては間違った考えが浸透していることが、「競争心のない子ども」を作り上げていると、精神科医である和田秀樹氏は言います。

「競争心のない子ども」が大人になり、社会に出たらどうなるのか・・・。

現実社会は、教育現場の考えとは真逆の「競争社会」です。

競争社会で生き抜くためには、「幼い頃から、特に男の子には、現実社会の厳しさを教えるべき」と和田氏は言います。

つまり、「勉強して、高学歴を得て、出世してお金持ちになることは決して悪いことではない!」と幼い頃からちゃんと教えてあげることが、競争心があり「心の強い男の子」に育てる上で重要だということです。

今回は競争心のある「心の強い男の子」の育て方と、親の心構えについて、和田秀樹 著『心の強い男の子の育て方―10歳までに知っておきたい!』を参考にお伝えしたいと思います。

競争心のある「心の強い男の子」の育て方 3つのポイントとは

心の強い男の子の育て方―10歳までに知っておきたい!の著書の中で、「心の強い男の子」の育て方が3つ紹介されています。

自分の強みをつくる

まず1つ目は、「自分の強みをつくること」です。

サッカーや水泳、野球など男の子が興味を持ちそうなものはたくさんありますが、積極的に何でもやらせてみて、友達と競い合い、「これだったら誰にも負けない」という強みを持つことができれば、成功体験も増えます。

成功体験が増えれば自信にもつながり、それが「心の強さ」につながるということです。

適度なプレッシャーを与える

2つ目は「適度なプレッシャーを与える」ということ。

子どもに何かをやらせる時、親が子どもに何も期待しなければ「どうせ僕なんて出来るはずがない…」と最初から諦めることを覚えますが、逆にあまり期待しすぎると、それが子どもにとってのプレッシャーとなり、少し頑張れば出来ることも、力を発揮できずに終わってしまうこともあります。

親は子どもの能力をじっくり観察し、「これはちょっと彼には難しいかもしれないけれど、頑張ってやらせてみる価値はある」という程度の課題を与えましょう。

適度な期待感を持って大らかな気持ちで構える姿勢が子どもにとってはちょうどよく、そうすることで、さまざまなことに対して前向きにチャレンジする子に育つのではないでしょうか。

適度なプレッシャーを与えるには、まずは子どもの能力を親が的確に判断することが大切ですから、じっくり子どもを観察するようにしましょう。

本気のコミュニケーションをとる

最後の3つ目は「本気のコミュニケーション」をとるということ。

本気のコミュニケーションと言うと、「言いたいことがあったら隠さずに何でも言う」というようなコミュニケーションを想像するかと思いますが、家庭内に限ってはそうです。

家庭内においては隠し事をせずに何でも話す姿勢が、良好なコミュニケーションをとる上で良いとされるのでしょうが、友達付き合いとなるとそうはいきません。

「これをこの場で言ったら、雰囲気が悪くなるのではないか」「これを言ったら、相手を傷つけてしまうのではないか」というように、場所や相手によっては言わない方が良いこと、言ってはいけないことがあります。

それを教えることが出来るのは親(家族)や先生しかありません。