2016年5月に約10年ぶりとなるオリジナルアルバム「PIECE of BRIGHT」を発表し、バンドを従えた全国ツアー、弾き語りをメインにした“ひとりライブ”ツアーを行うなど、精力的に活動を行ってきた岸谷香。

今年の夏には「情熱大陸ライブ2017」「MONSTER baSH 2017」「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2017 in EZO」などのフェスに出演、さらに全国ツアー「KAORI PARADISE 2017 HAPPY 50th ANNIVERSARY ぶらりひとり旅」の開催も決定している。

また7/26(水)にはチェリストとのコラボレーションによるミニアルバム「Dialogue~涙の理由~」のリリースも。今年2月に50歳を迎えた岸谷香はいま、新たな充実期を迎えつつあるようだ。

――昨年は約10年ぶりのオリジナルアルバム「PIECE of BRIGHT」をリリース。ライブも精力的に行うなど充実した1年だったと思うのですが、2017年はそれ以上のペースで活動してますよね。

そうなんですよね(笑)。2月に50才になったというのもあって、今年は50本ライブをやる予定なんです。

私自身は“周年”にそれほど興味がないし、「デビュー30年を越えたね」と言われてもピンと来ないところもあるんですけど、「せっかくだから何かやろうかな」と思って、いろんなスタイルのライブをやっているんです。

ゲストを招いたり、いままでの作品を並べるようなライブをやったり。思いのほか激しい年になってるんですけど(笑)、現役ってこういうことだよねって実感してますね。

アルバムを出して、ツアーをやって終わりではなく、どんどん先に続いていくっていう。

――アルバム「PIECE of BRIGHT」のインタビューのときに岸谷さんは「いまの自分をいまの形で表現するのが、アーティストとしてのあるべき姿」とコメントしていましたが、まさにそういう状況になっているわけですね。

そうですね。ありがたいことに発表の場を次から次に与えてもらってるので。新しい曲もけっこう書いています。この年齢じゃないと表現できないことがあると思うし、メッセージ性みたいなものもどんどん出て来るんですよ。

いろんなことが起きますからね、年齢を重ねると。今年の年明けにね、友達のアーティストに“あけましておめでとう”のメッセージを送ったら、「じつは友達が亡くなったんだ」って返事が返ってきたんです。

「この先、どれくらい音楽を続けられるかわからないから、やれる限りがんばろうと思う」というメールを読んで、グッと来ちゃって。いままでは“時間に限りなんかない”って歌ってたけど、それは違う。やりたいことがあるんだったらやるべきだなって思って。だから私、1月2日から曲を書き始めたんですよ。

――素晴らしい。歌声も年齢とともに変化しますよね。以前ボーカルトレーナーの方に「40代、50代がいちばん声が出る」という話を聞いたこともありますし。

あ、私もボイストレーナーの先生に同じこと言われましたよ。

「歌手は50代が最高。体が楽器だと考えると、余計な力が抜けていちばん鳴る時期だし、気持ちよく歌えますよ」って。それを聞いてから、俄然やる気になったんです。

いまの私は、二足の草鞋を履いてるところもあると思うんですよね。家庭もあり、音楽もやっているわけだけど、モードの切り替えが難しいときもあって。

家のことでバタバタしている時期にライブの本番を迎えると、やっぱり怖いんです。それを打破するためには、練習しかないんですよね。

「これだけ練習したんだから、大丈夫」と思えれば、自信を持ってライブを迎えられるので。いまがいちばん練習してますからね。変わりました、私も(笑)。

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