小学校の中・高学年になってから、子どもがネガティブ発言をするようになった…。これは、自分の子が心を開いている証拠です。

一方、何も言わないようであれば、一人で悩み事を抱え込んでしまい、悪くすると不登校になる可能性もあります。

そうならないための親子の会話法、そしてネガティブとポジティブの関係を心理カウンセラー・岡嶌伸枝さんに聞きました。

人はなぜネガティブになるのでしょうか?

元来、人間は太古の昔からネガティブな考え方をする生き物なのです。たとえば、「食料が採れなかったらどうしよう? このまま飢えて死んでしまうのではないか?」とネガティブな考えを持つことで、人間は危機管理をしてきました。

たとえば、転びそうになった時に、とっさに手をついて身を守ろうとしますよね。そういった本能や反射神経と同じくらい、ネガティブな思考をすることは、脳にとっては当たり前のことなのです。

ネガティブだからこそ、ポジティブになれる

ネガティブな思考をすることから、危機管理能力を培ってきたのが人間の歴史です。

八方塞がりになっても、その状況を見極めて整理し、気分を高めて行動することで、危機を脱することができる、これこそが、ポジティブな行動なのです。つまり、ネガティブな思考があるからこそ、ポジティブになれるのです。

無理なポジティブシンキングが心を追い詰める

ネガティブな考えは、何かしらの打開策、解決策が見つからなければ止まりません。ですから、気持ちと裏腹に「笑顔で」とか「私は出来る!」と鏡の前でいくら唱えても、ポジティブにはなれないのです。

むしろ、心と真逆なことを脳と体、心に強制し、自分自身に「嘘」をついてしまうので、疲弊してしまいます。さらに「どうして自分はポジティブになれないのか?」という、新たな負の感情を生み出してしまいまい、ますます自分を追い詰めていくのです。

このようなネガティブな思考を繰り返し続けると、いつか心が折れてしまいます。

そこで大切なのが、誰かに相談するという行為なのです。子どもの場合、先生や友達、家族などがあげられますが、まずは家族が相談に乗ってあげるのが理想なのです。

子どもがネガティブな発言をした時の対処法

1.ネガティブな発言をされたら信頼されていると認識しましょう。

人間は誰しも失敗します。たとえば、寝坊をしてしまい、遅刻するとします。すると、「先生に叱られる」「クラスメートにからかわれる」「皆に笑われる」など、ネガティブな発想が次々と頭に浮かんできます。これ自体は、脳の正常なメカニズムといえるので問題はありません。

しかし、短絡的な子の場合は「恥ずかしいから、学校を休みたい」という発想をします。この場合、親は別の解決法を提示してあげなければいけません。

一方、クラスでいじめられた、先生に体罰を受けたなどという問題の場合は、なかなか親には相談してくれません。それらを相談できるよう、普段からアナタが話しやすい空気感を作っていきましょう。