松尾太陽
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松尾太陽の新曲『体温』が、2021年2月11日より配信されている。

松尾はメインダンサー&バックボーカルグループ・超特急のボーカル・タカシとして活躍しているが、2020年9月よりグループと並行してソロ活動をスタート。

2021年は3ヵ月連続で新曲をリリースすることを発表し、1月15日に配信されたのが全編英語歌詞の『Magic』、そして続く第2弾が今回の『体温』となった。

新型コロナウィルスの影響で、ライブ開催がままならない今。逆境下でも歌うことへのモチベーションの高さを保てる理由、そして超特急の末っ子担当から大人の男性へと変化を遂げた秘密を、多いに語ってもらった。

自分がもっと歌を支えなきゃいけないと自覚

松尾太陽

――今回の『体温』、まずは歌唱力の高さに驚きました。もちろん太陽さんはプロとして長年活躍してらっしゃいますけど、ここ最近でグンと伸びた気がします。

ありがとうございます。

――私は「超特急のタカシ」さんが10代の頃から取材をさせていただいていますが、あの頃よりもレベルが格段に上がっているというか……。かなり努力をされたのではないでしょうか。また、努力のモチベーションは何だったのでしょうか。

キャリアの最初の頃を振り返ってみると、僕は超特急というグループに、何かを歌いたくて入ったっていうわけでもなかったんですね。

――俳優志望だったとお聞きしたことがあります。

12歳で今の事務所に入ったのですが、当時は「どちらかと言えば、俳優志望」という感覚でした。まあそんな覚悟で超特急を始めたんですが、正直、歌に対してはすごく深い所を掘り下げるとか、高みを目指すということもなく、可もなく不可もなしという状況が続いていたんです。

でも、グループの環境がガラリと変わったことがきっかけで、自分の歌について本気で考えるようになりました。

――2018年にグループの構成が変わり、責任がより重くなった頃ですね。

そのあたりで自分の気持ちが切り替わったのは、事実ですね。自分がもっと歌を支えなきゃいけないと自覚して、その延長上でもっと何かいろいろとやっていきたいなと思い始めました。

――2020年9月にソロ初のミニアルバム「うたうたい」を出されたときの、インタビューを読ませていただきましたが、歌うことへの楽しさをより感じるようになったとおっしゃっていますね。

そうですね、歌が楽しくなったというのはあります。もともとソロ活動を始めたのも、今がこういう緊急事態だからこそ、「始められるものは始めたい」という思いがありました。

今もその思いはあるし、この先も変わりません。曲を作ったりレコーディングをしたり、日々新しいものに出会えて刺激されたりという日々が、楽しいですしね!

――それは素晴らしい。

もちろん楽しいだけじゃなくて、悩むこともあります。でもそれすらも、「本当に勉強しているから、悩めるんだ」って前向きになれます。

例えば学生の頃、好きな教科・苦手な教科って誰にでもありましたよね? 苦手な教科だから放置するんじゃなくて、苦手だからこそ強化していかないと、成績が伸びないじゃないですか。それと同じで、自分の悩みを無視していたら、皆さんに響く楽曲を届けられないんじゃないかなって。

だから、悩めている自分も、楽しかったりするんです。

いい意味で、みんな裏があると思う

松尾太陽

――今、歌に関して、太陽さんが苦手にしていることは何でしょう。

昔からなんですけど、リズム感がなくて。自分の中で矯正しているんですけどね。他にも、苦手なことを言えばキリがないです(苦笑) 逆に得意なことを挙げる方が難しい。

実は僕、「僕の得意なことって何ですかね?」って周囲に訊ねないと、わからないんです。自分でわかってない。

――ファンはわかっていそうですが……。

苦手なことは僕、皮肉にもすごくわかっちゃうんです。でも、伸ばしたいところを自覚して、この先より良くなることを考えると、楽しくなります!

――自分を追い詰める方向に行かないのがいいですね。

追い詰めないですね。確かにあんまり、そういう風にはならないです。

――ご自身にとって、歌うことがより大切に、より身近に、もっと言えば逃れられないものになっているように見えます。

歌はすごく大きくいうと、人生。ここ10年くらい歌の仕事をやらせてもらっているし、今もそうだから、人生です。先ほど褒めていただきましたが、もっとレベルを上げたいです。

――いい意味で貪欲になってらっしゃいます。

最近、自分よりも年下のアーティストさんや、さまざまなSNSで話題になっている方々が、本当にたくさんいらっしゃいます。

でも自分は自分にしか歌えない歌を歌いたいし、歌は僕の気持ちを上げてくれるもの。今や誰もが話題になれるきっかけがある時代だからこそ、自分ももっと、自信をつけて頑張りたいです。

――新しい才能に悔しさは感じませんか?

悔しい気持ちはあるけど、そうじゃない部分と半分半分かな。その人なりの努力をして、僕よりも先にその曲のアルゴリズムを理解し、見えないところで何時間も費やして曲を作り上げたんだろうなって考えると、だんだん悔しさの比率が減っていきます。

相手のことを理解しようとせずに、パッと見だけで考えると悔しくなるけど、その人の他の曲やイメージを深く知ろうとすると、気持ちが変わっていきます。

――裏側が想像できるようになった、という意味ですか?

うーん、そうですね。こういう仕事をやらせてもらっているからこそ、表面上では見なくなったというか。いい意味で、皆さん裏があると思うんですよ。人に見せていない部分が、本当の自分っていう人もいるだろうし。

――すごく大人な発言ですね。

あ、本当ですか。ありがとうございます(笑)