民法改正により、2022年4月1日(木)から18歳が成人年齢となります。

18歳と言えば、一般的に就職や進学等により親元を離れて新生活をスタートする年齢です。

筆者も18歳で進学を機に上京し、憧れの東京暮らしを始めました。同居していた堅実派の姉が地元に戻ってからは一人暮らしを満喫したものの、お金の知識もなく、やりくり下手だったために数々のお金の失敗を経験しました。

この手痛い経験から、ファイナンシャルプランナーとなった現在では、9歳と6歳のわが子にも親元を離れる前にお金の知識を教えておくことは必要不可欠だと感じています。

今回の記事では、子どもがひとり立ちするその日までに、身につけさせておきたい「金融リテラシー」について詳しくご紹介します。

「買い物」とは何?

突然ですが、ここでクイズです。

Q.17歳の高校生が、保護者に内緒で10万円の化粧品セットを買う契約をしました。

この契約は取り消すことができるでしょうか?

A.この場合は、契約を取り消すことが可能です。

社会人経験の少ない未成年者が、保護者などの同意を得ずに契約をした場合、『未成年者(みせいねんしゃ)取消権(とりけしけん)』といって、保護者、本人のどちらからでも契約を取り消すことができます。

ただし、おこづかいの範囲内の少額契約の場合や、本人が結婚している場合、成人であると嘘をついていた場合等は、未成年者取り消しができません。また18歳の方が10万円の化粧品セットを買った場合には、2022年4月以降だと未成年者ではなくなる為、取り消すことができません。

そもそも買い物をするとは、お店の人と買う人が商品と代金の交換を互いに約束するという『契約』を交わすということです。

『契約』といえば、一般的には書類を交わして押印やサインを書くというイメージがありますが、『契約』とは商品やサービスなどを『売る人』と『買う人』双方の意思が合意したときに成立するものであり、『口約束』でも成立します。(民法555条より)

一度成立した契約については『売る人』と『買う人』双方に権利と義務が生じ、これを守らない場合は法律により強制されたり、「損害賠償」の責任を負うことになったりする場合もあります。

あまり普段意識することはありませんが、私たちは日々、『買い物』という『契約』を交わしているのです。