エディー・ジョーンズヘッドコーチ エディー・ジョーンズヘッドコーチ

10月24日、ヨーロッパ遠征に参加するラグビー日本代表メンバー発表記者会見が行われた。主将を務める廣瀬俊朗をはじめ、代表復帰した小野澤宏時、初キャップの山田章仁ら30名を選出。「2015年W杯での世界トップ10に入る」と公言してきたエディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)は、今回の遠征が今後の代表選考の重要な場になると明かした。

「本当にタフな4試合になるだろう。誰が通用して誰が通用しないのか見極めたい。もちろん試合には勝ちたいが、2015年のコアメンバー20人を見極めていきたい」。今までFLに名を連ねてきた佐々木隆道がメンバーから外れたが、指揮官は「佐々木にはこういうプレーをしてほしいと伝えているが、満足いくプレーをしなかった。フォワードには本当にヒットできる選手が必要。(第2戦で対戦する)ルーマニアのトライの86%は、1本のパスから生まれている。だからこそ、相手を止められる選手が必要」とバッサリ。春シーズンと異なり、大学生がひとりも選ばれていない理由も、「今彼らがやっているラグビーのレベルを考えると、いきなりテストマッチを戦うのは不可能。技術レベルで代表に名を連ねる選手がひとりもいない」と断言。

指揮官は真のリーダーシップを持った選手の育成も約束した。「ワールドカップの残り20分という強烈なプレッシャーがかかる中、正しい判断を下す選手はピッチ上に何人かいないといけない。次に何をすべきかチームをクリアに導くリーダーシップが必要」。選手に高い要求をする理由はただひとつ。「もう勇敢な敗者の立場にいたくない。素晴らしい勝者でありたい」からだ。そのゴールが「2015年の世界トップ10入り」である。

ジョーンズHCが無理難題を突きつけていると思うのは早計。6月、トンガに19-25で惜敗した試合後、名将は選手たちにこう言った。「3%ずつレベルアップしよう。その3%アップのためには、シンプルなことをきちんとやり切る必要がある。今日の試合でボールを落とした選手は9人くらいいたはずだ。これを次のトンガ戦で3%改善して、サモア戦でも3%改善していければ、2015年にはボールを落とすことはなくなる」。この日の記者会見ではこうも言った。「日々高いレベルでプレーする一貫性が必要だ。今までにない過酷な環境で戦い、日々積み重ねていかない限り、日本代表に変化はない」。指揮官の本気に、選手は必死に応えなければならない。

日本代表は11月3日(土)・パリに到着し、11月10日(土)のルーマニア戦を皮切りに、17日(土)・グルジア戦、21日(水)・バスク選抜戦、25日(日)・フレンチバーバリアンズ戦に臨む。

また、エディー・ジョーンズ出演予定のトークイベント『ぴあトークバトル スポーツ快楽主義 vol.75 SUPPORTED BY リポビタンD』が10月28日(日)、東京・青山ベルコモンズ クレイドルホールで開催。チケット発売中。