『マイウェイ 12,000キロの真実』の緊急フッテージ試写会に登場したオダギリジョーとカン・ジェギュ監督

実話をもとに韓国映画史上最大級となる製作費25億円を投じた超大作『マイウェイ 12,000キロの真実』の緊急フッテージ試写会が21日に東京・新宿バルト9で開催され、主演のオダギリジョーとカン・ジェギュ監督(『シュリ』『ブラザーフッド)が出席した。

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日本、ソ連、ドイツの軍服を着てアジアからノルマンディーを戦い抜いた実在の東洋人の姿を壮大なスケールで描く本作。オダギリは「台本の段階で、撮影の過酷さが伝わった。実際、現場は壮絶で毎日『行きたくないな』って思うほど。本当に戦争に送られる気持ちで、役作りの必要がなかった」と振り返った。

時は第二次世界大戦末期。ノルマンディー上陸作戦の後、ドイツ軍捕虜の中にひとり発見された東洋人が語りだした驚きの真実。その裏には国籍の壁を超え、マラソンを通して互いを高め合った二人の男の友情と宿命のドラマが隠されていた。主演はオダギリと、韓国を代表するスター俳優のチャン・ドンゴン。オダギリはドイツ語とロシア語で演技し、ドンゴンは半分以上の台詞が日本語だった。

この日、世界最速で公開されたのがクライマックスであるノルマンディー上陸作戦を描いた約20分間のフッテージ。オダギリ本人も映像は初めて観たといい「これをやらされたんですよ(笑)。今でも思い出しちゃって、手が震える感じ。トラウマになりましたね」と迫力に圧倒された様子だ。スタッフによる本番前の準備には、数時間を要することもあり「もし僕が転んでNGでも出したら……。責任の重さを感じたし、なかなかできる体験ではなかった」と当時の心境を語った。

そんなオダギリに対して、「現場でのあだ名は“教祖”。演技が始まると、周りのスタッフは皆モニターに群がり、見入っていた。私自身も、何度も鳥肌が立ちました」とジェギュ監督。オダギリに熱烈な出演オファーをしたのも、監督自身だといい「韓国でも有名な存在で、演技も素晴らしい。実際、会ってみて、その魅力のとりこになりました。こんな経験は初めてです」。波乱万丈の実話について「こんなことが起こりうるのか思うほど、ドラマチック。その生命力に熱いものを感じた」と思いを明かした。

オダギリも「第二次大戦については、日本、韓国、中国で思うところがそれぞれあるはず。それでもこの物語を映画化する企画自体が、挑戦的で意義があると思う。エンターテインメントなので、誇張した部分もあるかもしれないが、僕自身はあくまで日本人としてのあり方を作品で貫いたつもり」と熱っぽくアピールしていた。

『マイウェイ 12,000キロの真実』
2012年1月14日(土)全国ロードショー