渡辺麻友

人気SF作家・眉村卓の名作を映画化した『ねらわれた学園』で主人公・涼浦ナツキ役を務めたAKB48、渡り廊下走り隊7のメンバーとして活躍中の渡辺麻友が、本作の声優を経て物語の舞台のような学園生活に憧れを抱くも今後もアイドルとして生きる決意を新たにした。

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過去、薬師丸ひろ子や原田知世などを主演に迎え、現在まで合計6回も実写化が実現した人気原作の長編アニメーション化。鎌倉の学校に通う中学二年生のナツキ、その幼なじみの関ケンジ、彼が密かに好意を抱く春河カホリたちの前に、ある日、京極リョウイチという謎めいた転校生が現れたことで、14歳の少年少女たちの運命が回り出すSF青春ストーリーだ。「青春の甘酸っぱい恋模様などが、とても初々しく描かれています。超能力やSF的で不思議な世界観、ときめくような映像美も含めて、懐かしくてわくわくする作品になりました」と完成を報告する渡辺。映画声優初主演とは思えない声のハマリ具合も話題だ。

渡辺は、本作の主題歌『サヨナラの橋』も担当。3枚目のソロシングル『ヒカルものたち』(11月21日(水)発売予定)に収録の同曲は、「ナツキちゃんの心情に寄り添った、切ない片想いの曲です」と思春期を迎えた少女の想いを掘り下げる内容だ。本作のような学園生活を送ったことがないという渡辺は「今回、ナツキちゃんのような学園生活への憧れを感じました」と普通の生活への興味を示すも、「アイドルでいることを含めてなかなか経験できないことを今のわたしは日々頑張っています。うらやましいと思うことはありますが、仕事に誇りを感じています」と改めて今の自分と対峙したという。

また今回のような声優業を経て、渡辺は自身の可能性を試してみたい思いが強くなったという。「今もいろいろとお仕事をいただいていますが、いずれはミュージカルに挑戦してみたいですね。『エリザベート』みたいなミュージカルに挑戦してみたいです(笑)」と目を輝かす。ただ、「先のことを考えはしますが、『ねらわれた学園』を観て、その時しかない今を大事にして、精一杯努力することも大切だなって思いました」とまずは国民的アイドルとしての使命(?)をまっとうする覚悟だ。「アイドルは続けられる限りずっと続けたいです(笑)」とアイドル続行宣言! 渡辺自身も感動したというメッセージを受け取ってほしい。

『ねらわれた学園』

取材・文・写真:鴇田 崇