ビジネスの先頭打者!「企画」はどう立てる?

『一瞬で大切なことを伝える技術』
三谷宏治(著)
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商品やサービスの企画を立てる上で、その前提となる「コンセプト」。『一瞬で大切なことを伝える技術』(かんき出版)の著者で、経営コンサルタントの三谷宏治さんは、その重要性を次のように語る。

「ビジネスにおいて、企画はすべての業務における先頭バッター以上の存在です。企画が倒れれば、その後の打者がいくら頑張っても取り返しがつかない。プレゼンテーション以前に、そのビジネスや商品・サービスの設計図を描くためのコンセプトを、しっかり作っておかなければなりません」

誰に向けて、どんな価値を提供する、どんな商品・サービスなのか。そして、それを実現するためにどんな仕組みを作る必要があり、そのために必要なリソース(ヒト・モノ・カネ)をどう集めるのか――企画という作業はとても複雑で、かつ自由度が高い。

「どんなものでもいいから、課題を解決するための方法や顧客を満足させるための商品を考えろ、と言われると、ほとんどの人は凍ってしまいます。人生のなかで、それほど高い自由度にさらされることは少ないため、当然と言えば当然。コンセプトメイキングのスタートラインとして、まずは『重要思考』という思考の型を作っておきましょう」

重要思考とは、「最も大事なこと」を定め、常にそこに立ち返るという思考法。最初に、意思決定を行う人や組織=ターゲットと、そのターゲットが最も重視するものを決定しておく。当然のことのようだが、企画を進めていくなかでは、使えるリソースや納期などに捉われ、だんだんとコンセプトが疎かにされていくケースが多いという。

「重要思考が身についていれば、具体的な企画内容を考える上でも、個別の施策の優先順位=差を明確にすることができ、トータルでブレないものになります」

プレゼンテーションの成否を分けるのは、資料やトークではなく、第一に企画のコンセプトがしっかりしているかどうか。後述のシミュレーションも参考に、コンセプトメイキングと企画立案のポイントを押さえておこう。

優れたコンセプト・企画は、DMUが明確で、その中核価値に立脚している

DMUとは?
DMUとは「Decision Making Unit=意思決定者や組織」のこと。商品やサービス、あらゆるプランを考える際に第一に決定すべき事項となる。プランニングが行き詰ってしまったときにも、「誰がその商品やサービスを購入すると決める意思決定者なのか」がしっかり定まっていて、そこに立ち返ることができれば、考えがブレることはない。逆にそれが曖昧なままコンセプトメイキングを進めると方向性が定まらず、企画自体もただの施策の羅列に終わってしまいがちだ。

中核価値とは?
同じくDMUにとって魅力的な要素でも、予算や納期などの諸要素によって「トレードオフ」(共存させることができない)の関係になってしまうことも少なくない。その際の取捨選択において重要なのが「中核価値=DMUにとって最も大事なこと」だ。これを念頭に置かず、「あれもこれも」と欲張っては、コンセプトはうまく作れていても、具体的なプランが散漫で、メリハリのないつまらないものになってしまうこともある。DMUとセットで、初めに決めてしまいたい。