人気キャラクター、ゴラムは『ホビット 思いがけない冒険』にも登場 (C) 2012 Warner Bros. Ent. TM Saul Zaentz Co.

『ロード・オブ・ザ・リング』3部作に続いてJ.R.R.トルーキンの原作を映画化する3部作の第1弾『ホビット 思いがけない冒険』が明日14日(金)から公開される。前シリーズから約10年のブランクを経て届いた新作だが、すでに日本だけでなく世界中で前作を劇場で観ていない“新世代ファン”が登場している。

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本作は、大著『指輪物語』を実写映画化し、最終章『王の帰還』で米アカデミー賞で11部門を受賞したジャクソン監督とスタッフたちが挑む超大作。『ロード…』の60年前の“中つ国”を舞台に、ホビット族のビルボが、魔法使いのガンダルフ、13人からなるドワーフの一団らと壮大な冒険に出る姿を描く3部作で、マーティン・フリーマン、イアン・マッケラン、ケイト・ブランシェット、イライジャ・ウッド、アンディ・サーキスらが出演する。

数々の映画賞に輝き、映画史にその名を残る傑作シリーズとなった『ロード…』だが、最終章『王の帰還』が日本公開されたのは2004年。映画『世界の中心で、愛をさけぶ』が大ヒットした年、と言えば「懐かしい」と思ってもらえるかもしれない。そんなシリーズの新たな物語を描く『ホビット…』だが、往年のファンだけでなく10~20代の若いファンが増加中だ。その証拠にWEBサービス“LINE”で本作の特製スタンプを展開したところ、開始から1週間で利用回数が2000万回を突破。若い年齢層の利用が圧倒的に多く、配給会社は“思いがけない”反応に驚いているという。

中でもスタンプの利用総数の4分の1以上を劇中のキャラクター“ゴラム”がしめている。ゴラムは『ロード…』にも登場した人気キャラクターで、“指輪”の魔力に魅せられて身も心も毒されてしまった元ホビット族だ。数百年に渡って洞窟で孤独に生きてきたゴラムは痩せ細り、髪は抜け、目はくぼんだ恐ろしい形相で、ずる賢く、スキさえあれば相手を喰おうとし、正義感のかけらもなく、つねに何かに脅えている。しかし『ロード…』のファンはその強烈なビジュアルや、指輪に魅了されてすべてを失ってしまった彼の内面に魅了され、ゴラムはシリーズの“アイコン”と呼ぶべき存在に成長した。ちなみに現在、ゴラムを大々的にフィーチャーしたテレビCMも放映されており、こちらも好評を博しているという。

前作からブランクのあるシリーズ映画は、観客層の世代の入れ替わりに対応できず興行的に苦戦を強いられることが多い。しかし、本シリーズは時を超えて読み継がれてきた人気文学を基にした作品だけあり、すでに幅広い層の観客が新作の公開を待ちわびているようだ。

『ホビット 思いがけない冒険』
12月14日(金)、丸の内ピカデリー他全国ロードショー