(左から)武田鉄矢、山田洋次監督

数々の名作を世に送り出し、昨年文化勲章を受章した巨匠・山田洋次監督。その監督生活50周年を記念し「山田洋次 名作映画DVDマガジン」が創刊されることになり、7日、都内で山田監督と創刊号に収録される『幸福の黄色いハンカチ』(1977)に出演した武田鉄矢が記者会見を行った。

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昨年11月に全50巻にて完結した「男はつらいよ 寅さんDVDマガジン」に続く50周年記念企画の第2弾となる今回は、数ある山田作品の名作から26タイトルをラインナップし、毎号本編を完全収録。さらに付属のマガジンには監督が解説する“見どころ紹介”、撮影時のエピソードやロケ地ガイドの掲載に加えて、公開当時の復刻版ポスターが付録されるという。

山田監督は「寅さん(のDVDマガジン)も予想を超える売り上げだったと聞き、嬉しかったり、驚いたり。今回も大変嬉しいし、ありがたいことです。特に若い人たちに見てもらえる機会になれば」と今回のマガジン創刊に喜びのコメント。キャリア81作目となる最新作『東京家族』の公開も控える中、「本人はそれほど意識していないつもりだが、結局、一貫して家族の物語を作ってきたのだと思う」と自身の作風やテーマを分析していた。

武田にとっては『幸福の黄色いハンカチ』が役者デビュー作であり、「私にとってはスタートラインの白線と同じで、俳優として1日たりとも忘れたことはない場所。それと同時に、この白線はゴールでもあると思う」と感慨しきり。撮影中は共演する桃井かおりとよくケンカし、主演の高倉健が仲裁に入るといった劇中さながらの瞬間もあったといい、「特にいいチームワークだったなと思う」(山田監督)。また、武田は「監督から『喜劇は泣きながら、作るんだよ』と言われ、今もその言葉が強烈に残っている」としみじみ振り返った。

「山田洋次 名作映画DVDマガジン」
1月8日から全25巻(第18巻のみ2作品収録)で、隔週火曜日刊行