『攻殻機動隊ARISE』(C)士郎正宗・Production I.G/講談社・「攻殻機動隊ARISE」製作委員会

士郎正宗のコミックを映像化した人気シリーズの最新作『攻殻機動隊ARISE』の製作がこのほど発表された。メインスタッフを一新し、これまで誰も観ていない“攻殻”を描く本シリーズ。その全貌はいまだに明らかになっていないが報道陣向けに配布された資料には“希望は、ここから始まった”という意味深なコピーが記載されている。

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本作の舞台は、社会のありとあらゆる場所にネットが張り巡らされ、国家や社会の構成ユニットがそのカタチを何とか保とうとしている近未来。そこでは高度に発達した科学技術によって人間の組織を“義体”と呼ばれる外部パーツと交換したり、人間の脳や中枢神経をネットと直接つなぐ“電脳化”が進行している。物語は、そんな社会で次々に発生する事件を、草薙素子らが所属する内務省直属の警察組織、公安9課“攻殻機動隊”が解決する様を描く。

本シリーズは、1995年に押井守監督が『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』で映像化し、続く2004年には『イノセンス』を発表。同時期にスタートした神山健治監督による『攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX』シリーズは押井版とは異なる設定や展開を盛り込みながら人気を博してきた。士郎版のコミックも含め、そのいずれもが基本的な設定やエピソードを共有しながらビジュアルやそこで描かれるドラマ、その奥に設定されている問題などが異なり、それぞれにファンを持つシリーズだが、今回製作される『…ARISE』は“第四の攻殻”と位置づけられており、続編やスピンオフではなく、新たな“攻殻”を描くことになりそうだ。

物語の詳細は不明だが、本シリーズでは、日本の大作アニメーションの多くで作画、作画監督を務めてきた黄瀬和哉(きせかずちか)が総監督に就任。『マルドゥック・スクランブル』で日本SF大賞を受賞し、『天地明察』などの著作もある冲方丁(うぶかたとう)が構成と脚本を、音楽をコーネリアスが担当し、プロダクションI.Gが製作を務める。また、資料には作者の士郎正宗もプロジェクトに参加することが記載されており、士郎と冲方というふたりの作家と黄瀬総監督が“攻殻”をどのように新生させ、“希望は、ここから始まった”というコピーにふさわしいドラマを生み出すのか、期待が高まる。

なお、本作の製作発表会見は、2月12日(火)にnicofarreで開催され、その模様がニコニコ生配信、バンダイチャンネル、YouTubeを通じて無料で配信されるほか、同日にはTOHOシネマズ 六本木ヒルズにてシリーズの過去作と会見のライブビューイングをあわせたスペシャルイベントも開催される。

『攻殻機動隊ARISE』製作発表会
2月12日(火) nicofarreにて開催