「自分の身に置き換えて観た」 親子試写会から分析する映画『東京家族』

2013.1.17 18:20配信
『東京家族』(C)2013「東京家族」製作委員会

山田洋次監督の最新作『東京家族』が19日(土)より公開される。これまで数々の家族の姿を描き続けてきた山田監督が本作で描くのは“現代の家族”。三世代の親子像と物語を綴った本作は絵空事や理想ではなく、観客が思わず共感し、心を寄せたくなるようで、公開前の親子試写会でも「自分の身に置きかえて観た」という声が多くあがっている。

親子試写会の様子

本作は、子どもたちに会うために上京してきた夫婦と子どもたちとの再会や、そこで生まれる触れ合いやすれ違いを、三世代の登場人物を用いて描き出す人間ドラマ。巨匠・小津安二郎監督の名作『東京物語』へのオマージュを捧げた作品だが、そこで描かれるのは“古き良き”ではなく、あくまでも“現代を生きる家族”の姿だ。

多くの家族ドラマは、親子や人間関係の曖昧な部分や暗い部分、大きな声では言えない部分は隠して、感動的なドラマを描いているが、これまで小さなドラマや俳優の演技を巧みに積み上げて“人間の実像”を描いてきた山田監督は、親子孫のどの世代が観ても“ウソがない”と思える家族劇を誕生させたようだ。その証拠に試写会後のアンケートでは「親の想いを受け継いでいく、親の気持ちを理解するのはなかなか難しい」「親であっても言えないことはある、と思った」「自分も日常のことに手一杯で親のことを後回しにしていることを思い出した」など、自身の環境と重ね合わせた意見や、美辞麗句では済まされない家族の現実に言及したコメントが多く寄せられた。

その一方で、「シビアな現実があるからこそ、家族をより大切に思えた」「母親、父親とも心をつなげあいたいと思った」「親子で一緒に過ごせる時間に限りがあることを忘れず、親孝行をしたい」という声も多数寄せられており、家族が抱える現実を見つめなおした上で改めて家族の大切さや絆を感じた観客が多かったようだ。

家族の数だけ事情や環境は存在する。しかし、映画『東京家族』を観賞することで、それぞれの世代が日ごろ忘れていた家族の存在や、これまで考えていなかった家族の大切さや絆を“自分のこと”として感じられるのではないだろうか。

『東京家族』
1月19日(土)全国ロードショー

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