クエンティン・タランティーノ監督

第85回米アカデミー賞で5部門にノミネートされている『ジャンゴ 繋がれざる者』を引っさげ、約3年ぶりに来日したクエンティン・タランティーノ監督が13日、東京・新宿ピカデリーで行われたプレミア上映会に出席した。

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駆けつけたファン約500人の大歓声を受けながら「ハロー、トウキョウ! 日本はタラちゃんズホーム」とあいさつしたタランティーノ監督は、登場早々テンションが最高潮に達すると、「俺の映画が観たければ、お前らの声を聞かせてくれ!!」「そろそろショーを始めるぞ! マザー・○ァッカー」と関係者の制止も振り切り、マイクパフォーマンスで大暴走。バレンタインを翌日に控える中、キャノン砲で“チョコ弾”を発射するタランティーノらしい演出も飛び出し、客席を大いに盛り上げていた。

映画は19世紀のアメリカ南部を舞台に、賞金稼ぎのシュルツ(クリストフ・ヴァルツ)に見いだされ、自由を得た主人公ジャンゴ(ジェイミー・フォックス)が、生き別れた妻と再会するために、彼女を酷使する農園の悪徳オーナーであるキャンディ(レオナルド・ディカプリオ)と壮絶な戦いを繰り広げる。ヴァルツが米アカデミー賞の助演男優賞に、タランティーノ監督自身は脚本賞候補に挙がっており、「今は爪をかみながら(笑)、結果発表を待っている状態だよ」と茶目っ気たっぷりに心境を語った。

本作の構想が生まれたのは、前作『イングロリアス・バスターズ』の来日キャンペーン時だったといい「日本は西部劇のサウンドトラックの宝庫だろ。俺も20枚くらい買って、ホテルで聴いていたんだ。すると最初のシーンが頭に思い浮かんだんだ。早速、ホテルの便せんにアイデアを走り書きしたよ」。実際、本作の冒頭シーンは当時の構想通りだと明かし、「つまり3年前に、ここ東京で書いたんだ。それまでは次回作が西部劇になるなんて、思ってもいなかった」と改めて日本への強い思いを示していた。

『ジャンゴ 繋がれざる者』
3月1日(金)より丸の内ピカデリーほか全国ロードショー