StarS(井上芳雄、浦井健治、山崎育三郎) StarS(井上芳雄、浦井健治、山崎育三郎)

ミュージカル界のプリンス、と称される人は何人かいるが、この3人をそう呼ぶのに異論を挟む人はいないだろう。井上芳雄、浦井健治、山崎育三郎。ルックス、存在感、歌声、演じてきた役どころ、どこをとっても非の打ちようのない、プリンス中のプリンスだ。大ヒット作品の主役を次々と張り、現在の日本ミュージカル界を牽引し続けている3人が、この春「StarS」と銘打ちコンサートを開催する。さらに、ユニット名“StarS”としてのCDデビューも決定。華やかな話題をふりまく3人に、話を訊いた。

「3大ミュージカルプリンス コンサート StarS」チケット情報

それぞれ主役を務めることが多い3人は、「基本的に役柄がかぶる3人ですから」(井上)という通り、初演・再演で同じ役を演じたり、Wキャストを演じたりすることは多いものの、一緒にステージに立つという接点は実はあまりない。そんな彼らが今回ユニット結成に至ったのは、本人たちの熱意からだった。「2年前、帝国劇場100周年の年にNHKの番組で取材してもらって、これから一緒にやっていくであろう若い仲間と対談したいと僕が言って、ふたりの名前をあげたんです。その時初めて3人が並んだんですが、その並びが良くてピンときた」と話す井上に、「僕も直感で思いました! あの時楽屋で鏡越しに3人を見て『何か出来るんじゃないかな』って。だから“自分たち発信”のユニットなんです」と山崎も嬉しそうに同意を返す。

取材日は、デビューCDのジャケット撮影日。メジャーレーベルからのリリースで、このあとPVも撮影するという。まさに本格的な音楽活動の第一歩だが今後の展開も気になるところ。「目標は、武道館公演、そのあとは紅白歌合戦!……ちょっと、なんでみんな笑ってるの(笑)。でもやるからには一発限りの企画じゃなくて、ずっとやっていけたら」と山崎が野望を話してくれた。だがその裏にはしっかりミュージカルへの愛情がある。「『レ・ミゼラブル』の映画のように、StarSのことで、世間の人が“ミュージカルっていいな”って思ってもらえるきっかけになれたら嬉しい」(浦井)、「3人集まれば、ひとりより人目を引きますから(笑)」(井上)。

ミュージカル愛ゆえに、タッグを組み“攻め”の体制に入った頼もしきプリンスたちに、当面のライバルは誰かを問うた。あれでもないこれでもないと様々なジャンルのグループの名前を楽しげにあげていく3人。最終的に井上が「ミュージカル俳優って、だいたいこれくらいのことする人たちでしょ、という想像が皆さんの中にあると思う。その固定概念を壊したい。皆さんの意識がライバルです!」ときっちりとまとめてくれた。この日はそれぞれ、別の出演舞台の休演日、地方公演の合間、稽古中と忙しい中で奇跡的にスケジュールがあった貴重な日。その中でも疲れも見せず、やる気をみなぎらせていた3人のこれからの活躍に期待したい。

「3大ミュージカルプリンス コンサート StarS」は5月8日(水)から12日(日)に東京・東急シアターオーブほか、神奈川、愛知、福岡、大阪での上演が予定されている。