北野武監督(左から5番目)と男優賞を受賞した(左から)三浦友和、加瀬亮、中野英雄、松重豊、小日向文世、桐谷健太、新井浩文

ヤクザ社会の壮絶なる下克上劇を描き、興収14.5億円をたたき出した北野武監督の『アウトレイジ ビヨンド』が、ビートたけしこと北野監督自身が審査委員長を務める「第22回東京スポーツ映画大賞」で、作品賞、監督賞を受賞。さらにメインキャスト12人全員が男優賞を受賞し24日、都内で行われた同賞の授賞式に、北野監督をはじめ、三浦友和、加瀬亮、中野英雄、松重豊、小日向文世、桐谷健太、新井浩文、塩見三省、中尾彬が駆けつけた。

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2010年に公開された『アウトレイジ』の5年後を描き、北野監督にとっては16作目にして初の続編映画。獄中死したはずの大友(たけし)が警察の思惑によって釈放され、関東VS関西の両巨頭がぶつかり合う抗争に身を投じる。授賞式で黒スーツに身を包んだ三浦ら“悪人”たちの姿に、さすがのたけしも「勘違いして、外で警察が張っているんじゃないか(笑)」と圧倒された様子だ。

今回は主演、助演の枠を取り払い“男優賞”を授与することになり、「普通これだけの役者が揃うと、お互いにつぶし合っちゃうけど、全員で映画のパーツを背負ってくれた」と理由を説明。それでも「2時間以内に収めないといけないから編集には苦労したよ。今日は来てないけど、西田さん(西田敏行)がやたら間を取るんだもん」と毒気たっぷりの欠席裁判も。さらに「次は『3』だね。双子の兄弟が現れたぞって(笑)。ぜひみんな生き返って」とさらなるシリーズ化にも意欲を見せていた。

また、特別賞は先月肺炎で亡くなった故・大島渚監督に授与され、授賞式には大島監督夫人で女優の小山明子が出席。「常に新しいものを問題提起していた、日本映画史に残る人。あの時代にデビッド・ボウイと坂本君(坂本龍一)とおれをキャスティングしたのはすごい」と自身の出演作でもある『戦場のメリークリスマス』を挙げ、故人を偲んでいた。

『第22回東スポ映画大賞』受賞者一覧

『アウトレイジ ビヨンド』
ブルーレイ&DVD 4月12日(金)発売