『東京家族』特別上映会の模様

公開中の映画『東京家族』の特別上映会が26日にカナダ大使館で開催され、山田洋次監督、マッケンジー・クラグストン駐日カナダ大使らが登壇し、舞台あいさつを行なった。

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今回の特別上映会は、大震災から2年が経とうとしている今、日本の未来や家族の重要性を描いた本作を外交団の方々に鑑賞してもらおうと、外務省、国際交流基金、カナダ大使館の共催で開催された。山田監督は、約70カ国の大使・外交団と、11の国際機関からの出席者170名を前に「世界中の外交官とその家族のみなさんに新しい映画を観てもらうことができて嬉しいです。こんな光栄なことはありません」とあいさつした。

『東京家族』は、製作中に東日本大震災が発生したため、山田監督の意向で製作を一年延期し、今の日本と家族の在り方を改めて見つめ直し、脚本に修正を加えた。山田監督は「この『東京家族』という映画は、一昨年にクランクインするつもりで準備していたのですが、ちょうどその時、3月11日の大きな災害が起きてしまいました。これは国家的な大事件であって、これを機に日本人が変わっていくのではないかと思いました。そうだとすると、このまま映画を作り続けることができないと思い、撮影を1年延期することになりました。1年延期している間に、災害のエピソードも脚本に書き加えて、去年の3月に撮影を開始しました」と説明。さらに「この作品は、日本を代表する小津安二郎監督が1953年に作られた『東京物語』を下敷きにして、そのまま骨格を取り入れた作品でもあるんです。親子の間のドラマ、親子の関係について、この映画は語っています。このテーマは本当に世界共通だと思っています。この先、このテーマで舞台を上海やモントリール、モスクワに変えても成立すると思いますし、みなさんも映画をご覧になったあと、そう感じると思います」と語りかけた。

『東京家族』
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