堤幸彦監督が今伝えたい被災地・気仙沼の現実と人々の声

2013.3.4 17:43配信
堤幸彦監督

新作映画『くちづけ』の公開も待たれる堤幸彦監督が、昨年CSで放送され、反響を呼んだドキュメンタリードラマの第2作『Kesennuma,Voices.2 東日本大震災復興特別企画〜2012 堤幸彦の記録〜』を完成させた。今回も眼差しを注ぐのは被災地・気仙沼の現実と現地で生きる人々の声。その作品に込めた想いを語ってくれた。

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『自虐の詩』のロケ地でもある気仙沼は堤監督にとって大切な場所。それだけに1作で終わらせられない強い思いがあったという。「“自主製作でもやろう”と立ち上げた企画。作品にするか否かは別で、前作で築いた気仙沼と地元の皆さんとの関わりはより深くしていきたいと考えていました。それではじめて、被災地の現状及び地元の声を知ることができる。この実体験を経ての実感から、僕自身が出来ることを模索していきたいと思っていました」。その決意から前作完成後も気仙沼に何度か足を運んだ。結果として今回の続編が生まれる。「あの日から2年、何も変わらない現実がある。より忘れられなくなる深い悲しみがある。時間を経ることで、より深刻さを増す問題がある。人々の心に去来する様々な思いがある。一方で、人々にかすかに見えてきた希望と夢がある。このことを伝えたいと思いました」。

作品はアナウンサー、生島ヒロシの息子で、津波で叔父と叔母を亡くした生島勇輝と翔の兄弟が前作に続き主演。叔父と叔母の死と正面から向き合う2人のドラマと、彼らが継続していた気仙沼での活動と地元の人々へのインタビューを収めたドキュメンタリーの構成で、気仙沼の“今”が描かれる。中でも、困難に直面しながらも、前を見つめる気仙沼の人々の生の声は胸に響く。「実は、どんな質問をするかも伝えていないし、事前の打ち合わせも一切していない。皆さん、その場で語ってくれたこと。登場してくださった皆さんの言葉には、これから我々が生きていく上で大切にしなくてはいけないことがつまっている気がします」。

「ひとりでも多くの人に、被災地の現実と声を届けたい」と強い意志を見せる堤監督にとって本作はライフワークとなっていくかもしれない。今後作品がどう展開していくのかも注目が集まる。堤監督が伝えたい“被災地の今”をぜひ目にしてほしい。

『Kesennuma,Voices.2 東日本大震災復興特別企画〜2012 堤幸彦の記録〜』
「TBSオンデマンド」配信中(※11日まで無料、12日以降は有料)
※CS放送「TBSチャンネル1」でも3月11日(月)に放送予定

取材・文・写真:水上賢治

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