すべてのことを驚きと新鮮さを持って受け止められるように

右から 橋本環奈、上白石萌音 撮影:川野結李歌

──初舞台の橋本さんには、楽しみなことや自分に期待したいことを、これまでも舞台に立ってこられた上白石さんには、この『千と千尋の神隠し』で自分の課題にしたいことを、教えていただければ。

橋本 まったく想像がつかないですけど(笑)、自分の新しい面を見つけられるのかなという気はしています。ひとつの役をこんなに長くやることも初めてですから、萌音ちゃんの言う悩める時間で、役を深く捉えていけたらなとも思いますし。

ジョン・ケアードさんの演出も本当に楽しみです。『ナイツ・テイル』も拝見したんですけど、びっくり箱のようでした。

盛り上がって感動するところもあれば、やさしい気持ちになって癒やされるところもあって、2時間とか3時間の間でいろんな感情が味わえて、本当に夢が詰まっているなと思いました。そんな場所で自分が千尋を演じられるなんて、楽しみしかないなと思っています。

上白石 私は、ジョンがよく言う「本当に初めてこの場で起きているように見せたい」という言葉が好きなんですけど、それってお芝居のすべてのような気がしていて。

とくに千尋は、本当に初めての経験を重ねてちょっとずつ成長していくので、どれだけその場の空気や、起こっていることに素直に反応できるかがとても大切になってくると思うんです。大人の初めてと子どもの初めては違う気がしますし。

本当にすべてのことに驚きと新鮮さを持って受け止められるように、やわらかくいられたらいいなと思っています。

──映画を繰り返し観るなど、準備をしていることはありますか。

橋本 もちろん映画は繰り返し観ています。でも、自分がやるとわかりつつ、結局楽しんで観てしまっていて(笑)。だけど、そうやって映画を観て自分が感じていることを忘れないで、大事にしていくのがいいんだろうなとは思っています。

上白石 準備だと思って観始めても最後は普通に泣いちゃうんです(笑)。ただ、このとき千尋はどんな表情をしているんだろうとか、千尋の顔を観るようになってはいます。言ってしまえば答えは映画にあるので、そこは大事にしたいなと思って。

あと、繰り返し観てわかったのが、千尋はめちゃくちゃ身体能力が高いということ。動くし走るし、転んだら必ず足がエビ反りみたいになって起き上がるし。身体もやわらかいんです。

橋本 確かに(笑)!

上白石 だから、どんな動きを求められてもできるように、ストレッチと筋トレはやっておこうと思っています。

橋本 うわー、過酷だなぁ(笑)。

上白石 そう。きっと過酷だよ(笑)。

開催情報

舞台『千と千尋の神隠し』
2022年3月2日(水)~2022年3月29日(火)
※プレビュー公演2月28日(月)~3月1日(火)
会場:東京・帝国劇場
大阪(4月)、福岡(5月)、北海道(6月)、愛知(6・7月)でも上演予定

ヘアメイク/森本淳子[GON.](橋本環奈)、冨永朋子[allure](上白石萌音)、スタイリング/鈴江英夫[株式会社H](橋本環奈)、嶋岡隆、北村梓[Office Shimarl](上白石萌音)