左から、明日海りお、蘭寿とむ、蘭乃はな 左から、明日海りお、蘭寿とむ、蘭乃はな

宝塚歌劇団がカプコンの人気ゲーム『戦国BASARA』を舞台化、『戦国BASARA-真田幸村編-』としてこの夏上演する。すでにアニメ、映画、舞台、ドラマとメディアミックスで展開されている人気コンテンツだが、ミュージカル化はこれが初。3月18日、渋谷のセルリアンタワー能楽堂にて制作発表が行われ、主演を務める花組トップスター蘭寿とむ、花組娘役トップスター蘭乃はな、3月25日(月)付けで花組に組替えとなる月組の明日海りおらが登壇した。

宝塚におけるゲームの舞台化といえば、同じくカプコンの『逆転裁判』シリーズがすでに大きな話題になり、高評価を得ているが、その『逆転裁判』でもタッグを組んだ脚本・演出 鈴木圭、主演 蘭寿とむという盤石の布陣が今回の舞台化に挑む。この日はゲームから抜け出してきたかのような衣裳で登場した蘭寿は「初めて衣裳を見た時に、すごい再現率だと思って興奮しました。実は動きにくくて大変で、二本槍をふりまわすための筋トレをしないと、と思っているところですが(笑)。実際ゲームもやりましたが、自分がどんどん強くなっていく気分で、これは本当に楽しいなと思いました。ゲームの楽しさと宝塚の楽しさ、両方を出せる作品になるのでは」と自らも期待をしている様子。鈴木は「蘭寿が主演するということで、真田幸村しかないなと。熱血漢というところが、ゲームで描かれている幸村とぴったり」と、今回『真田幸村編』とした理由を明かし、さらに「見どころはゲームのファンタジックさをいかに舞台に生かすか。男の武将としての生き方、葛藤をミュージカルで描きたい。さらに、宝塚なので歌と踊りとロマンを強調して、宝塚ならではの『戦国BASARA』を作りたい」と意気込んだ。

会見にはカプコンの小林裕幸プロデューサーも出席。「実はゲーム1作目を作る時に、それぞれの武将に個性を持たせようとなり、幸村は熱血キャラクターですが、上杉謙信は宝塚さんみたいな武将としてゲームで描いてきた。まさか本家の方にやってもらえるとは」と感慨深げな発言も。その謙信役を演じる明日海は「宝塚歌劇ならではの上杉謙信像を作り出すことができれば。“男祭り”の中で、中性的部分を担うのではと思うので、メイクや着こなしも研究していきたい」とコメント。また、オリジナルキャラクターである“いのり”役を演じる蘭乃は「いのりが1日も早く『戦国BASARA』の住人になれるよう頑張りたい」と話した。

公演は、昨年渋谷に開場した新しい劇場、東急シアターオーブにて行われる。宝塚歌劇団の同劇場初進出に、「常に変化し続ける渋谷の街での公演。従来の宝塚歌劇にはない、新しい宝塚歌劇をお見せできれば」と小林公一理事長。公演は6月15日(土)から7月1日(月)まで。チケットは4月21日(日)に一般発売を開始する。