(左から)森岡利行監督、谷花音、北乃きい

第5回沖縄国際映画祭コンペティションのノミネート作品『上京ものがたり』が上映され、北乃きい、谷花音、森岡利行監督らが舞台あいさつを行った。

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本作は漫画家・西原理恵子氏の同名作品を映画化したもの。美大に通うため田舎から上京していた女性が、理想とはかけ離れた東京での生活に翻弄されながらも、力強く夢を追う姿を描いた人間ドラマだ。主演の北乃は「西原作品のファンなので、先生の役を演じられてうれしかった」と笑顔でコメント。自身もデビューを機に13歳で上京してきた際、マンションにあった洗濯機の使い方がわからず戸惑ったエピソードなどを明かし、役柄への共感を語った。

共演の谷は、「最初はあまり笑顔のない女の子という役で難しかったです。現場ではきいちゃんとカメラマンさんの似顔絵を描いたりして楽しかった」と現場でのヒトコマを披露する場面も。そんな彼女たちに囲まれた森岡監督は、「どちらもその世代ではナンバー1の女優さんなので、安心してまかせられた」とふたりの演技を絶賛。現場には北乃演じる菜都美が飼う猫がいたりと、終始和やかな空気が流れていたようで、登壇した3人からも、そのほのぼのとした雰囲気が伝わる舞台あいさつとなった。

最後に北乃は、「女の子が夢をかなえるために、壁にぶつかったりしながら、それを乗り越えて進んでいくお話です。最近ちょっと疲れている人や、いろいろなことを我慢している人に観ていただいて、笑顔になってほしいと思います。肩の力を抜いてまったり観てください」と作品をPR。一般客に向けての初上映となるだけに、この日、少し緊張した表情の北乃だったが、会場からの温かい声援ににっこりする場面もあったりと、和やかムードのお披露目となった。

『上京ものがたり』
8月公開

取材・文・写真:渡部あきこ