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地上波初放送でもTwitterを中心に話題を集めた2016年公開の『シン・ゴジラ』。1954年に公開された初代『ゴジラ』から長い時を経ても、「ゴジラ」という存在は、映画ファン・特撮ファン以外の人でも心を動かす存在だと再確認できました。

映画・特撮・さらにはアニメにも多大な影響を与えた初代『ゴジラ』ですが、その魅力のひとつは日本映画界を代表する作曲家・伊福部昭氏が手がけた重厚かつ壮大な音楽といえるでしょう。『ゴジラ』シリーズを1度も見たことがないという人でも、あの「ゴジラのテーマ」なら耳にしたことがあるはず――。

その音楽を、映画本編の上映に合わせて生演奏で体感できる贅沢なイベントが、第30回東京国際映画祭の特別企画『ゴジラ』シネマ・コンサートとして実施されました。

“しんちゃん”にも影響が!? 「ゴジラ」を呼び覚ます音楽の力

さて、筆者は平成元年生まれ。『ゴジラvsビオランテ』と同い年といえば、ファンの方の聞こえがいいかもしれません。いわゆる「平成ゴジラ」シリーズも数多くの作品が作られ、筆者も物心ついたときには、常に最新作の情報とともに、TVにゴジラがいた世代です。

もちろん、TVからはカッコいいゴジラやキングギドラ、メカゴジラ、デストロイアといった怪獣たちとともに、『ゴジラのテーマ』が流れてきます。幼少期のすり込み効果は絶大で、脳内ではいまでも『ゴジラのテーマ』が「ゴジラ! ゴジラ! ゴジラがやって来た!」と歌詞付きで流れるほど(これは映画本編と言うよりも、当時放送されていた『ゴジラアイランド』という番組の印象が強いですね)。

熱心な特撮ファンというわけではなかったのですが、高校生になりアニメや映画を本格的に観始めた時、本多猪四郎監督や円谷英二監督といった名前とともに、初代『ゴジラ』や名作『ゴジラ対ヘドラ』などを振り返って観ていきました。

惜しむらくは、そのころは2004年公開の『ゴジラ FINAL WARS』以降、コンスタントに新作が作られなくなっていたこと。いちばん映画館に通い、むさぼるように映画を観ていた高校生時代には、『ゴジラ』は冬の時代だったのです。

リアルタイムで待望の新作が登場するのは、2014年のギャレス・エドワーズ監督版『GODZILLA ゴジラ』でした。劇場公開時にリアルタイムで観る「ゴジラ」の迫力に圧倒され、公開時期に初代『ゴジラ』も劇場上映される機会があり、合わせて観に行ったのも良き思い出です。

2016年の『シン・ゴジラ』も、総監督を庵野秀明氏が手がけるという情報が出た時から注目していましたし、ここまでの大ヒットも納得の内容でした。筆者はアニメファンでもあるので、ゴジラと自衛隊の戦闘シーンは、『新世紀エヴァンゲリオン』の旧劇場版を彷彿させ、そこを観るために再び劇場へ行ったほどです。

そういったマニア的な下地がなくとも、同世代の多くの若い人にとっては、『シン・ゴジラ』が、子どものころの「体験」とつながる、初めの「ゴジラ」だったといえるでしょう(初代『ゴジラ』と太平洋戦争、『シン・ゴジラ』と東日本大震災といった関係性もありますが、その言及は評論家の方にお任せします)

63年前の初代『ゴジラ』から、さまざまなシリーズが作られてきました。すべての作品に使用されているわけではありませんが、やはり伊福部昭氏の音楽は、観るすべての人に共通して「ゴジラ」を呼び覚まさせる力があります。

たとえば、第30回東京国際映画祭でも特集上映が組まれた映画監督・原恵一氏の『映画 クレヨンしんちゃん 爆発! 温泉わくわく大決戦』に、こんなワンシーンがあります。

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